風来坊力也のヒッチハイク旅
3月22日のLIVE放送
風来坊力也の旅日記
2015年1月からスタートしたヒッチハイクの旅。
この旅を始めた頃は各地で雪が降りつもる冬だった。
東京新宿から出発した時も雪がちらついていた。
北へ向かえば向かうほど寒さは増し身を強張らせた。
「この時期にヒッチハイクする人はいない」乗せて下さったドライバーさんによく言われる。
そんな、ヒッチハイクに辛い季節がようやく終わりを迎える。
春が来たのだ。
今回初めて自分以外でヒッチハイクをしている人に出会えた。
鳥取県道の駅、ここからスタートして姫路に向かう若い2人だ。
ボードには大きく姫路の文字。
嬉しくなり話し掛ける。
ヒッチハイクの辛さも楽しさも知る仲間に出会えた、そんな気分だった。
若い女性は今回初めてだと言う。
少し不安そうな顔を覗かせたが、大丈夫だ、こんな36のおっさんでも北海道最北端まで行けたと話すと笑顔を見せてくれた。
お互い頑張りましょうと声を掛け合いそれぞれの目的地を目指しヒッチハイクを再開。
またどこかで会えるかもしれない、その時は旅の思い出を語り合おう。
鳥取県に到着。
念願の鳥取砂丘にたどり着いた。
広大な砂地に感動する。
ここが日本だという事を疑いたくなる程に美しく現実感のない景色だ。
ここから見える夕日は最高だった。
日が沈むまでここにいようと決めた。
日没まで40分、こんなにゆっくりと景色を眺めることは今までなかった。
ただ海を眺め夕日を見つめるだけの贅沢な時間、ようやく腰を落ち着ける事が出来たように思う。
砂まみれになった体を洗うのに銭湯を探す。
温泉があった、しかも380円と安い!
夜露で濡れた体に温かな温泉が染みる。
自然と「ありがとう」と感謝の気持ちが湧き上がった。
ここの温泉は食事も安かった。
うどん・そば・ラーメン、150円!
色々な土地でラーメンを食べてきたが文句無しに一番安い。
ヒッチハイクで旅をして来た事を伝えると更にご飯と生卵をサービスしてくれた。
オーナー曰く「金じゃない、ここを訪れた人のありがとうが俺の財産だ」
人情に厚いオーナーだった、ありがたくご好意に甘える。
野宿は寒いからと寝る所まで提供してくれた。
心の中、感謝の気持ちがあふれた。
「ありがとうございます」
オーナーは笑顔で満足そうだった。
本当に自分は人に恵まれている。
「ありがとう」を行く先々で置いていく旅。
この旅も佳境に入る。
島根県、山口県、その先に福岡県博多がある。
残り500km、早くも旅の終わりを惜しむ自分がいる。