オダサガ(小田急相模原)の異端児『焼肉はせ川』と言えばA4、A5の焼肉が格安で食べられる店として局地的に有名ですが、実は焼肉以外のメニューも豊富に取り揃えています。
そんな中から今回は、ラーメンマニアの筆者的には外せない『イベリコ豚のチャーシュー麺』に注目してみましょう。
イベリコ豚と言えば豚肉の中でもセレブな奴で、その価格は下手な牛肉よりも高いくらいです。そんな高級豚肉を使ったチャーシュー麺が800円、しかも横線で打ち消して700円(今だけ価格)で食べられると言うのですから、この機会を逃す訳には行きません。
『焼肉はせ川』に行ったら、まず焼肉!!
言うまでもなく『焼肉はせ川』は焼肉屋さんです。どんだけサイドメニューが充実していても焼肉屋さんです。
なので『焼肉はせ川』に訪れたら、まず焼肉を食べましょう。それが礼儀と言うものです。行けば必ず「七輪」に火が起きているので、それを無視してサイドメニューだけ食べると言うのは無粋です。
上記の写真は『柔らかハラミ』です。お値段は、なんと650円!!!
焼肉を食べ慣れてくると「カルビ」を卒業して「ハラミ」(牛の横隔膜)にステップアップする時期が訪れます。
「焼肉で好きな部位は?」と聞かれて迷わず「ハラミ」と答える人は、ある程度は焼肉を食べ慣れた中級者と言えるでしょう。
そんな焼肉中級者のハートをがっちり掴む「ハラミ」が650円で、このボリューム… 『焼肉はせ川』恐るべし!
味の方は写真の『柔らかハラミ』を見て頂ければ分かると思いますが、敢えて言おう!
「柔らかハラミ、超ウメー!!!」
と。 牛肉の旨みを感じつつも、脂っぽくはない。それなのに凄く柔らかいと言う相反する要素が「ハラミ」にはあります。この『柔らかハラミ』なら、いくらでも食べられますね。
『焼肉はせ川』に行ったら、やはり牛タン!!
「焼肉は牛タンに始まり牛タンに終わる」と言われるくらい、牛タンは大事なアイテムです。
『焼肉はせ川』の牛タンには「上」(980円)と「並」(800円)があります。金額的には180円しか変わらないのですが、今回はあえて安い方を食べてみました。そして出た結論ですが…
「どちらの牛タンも旨し!!!」
となります。確かに「上」の方が見た目は綺麗ですが、味の方はあまり大差ありません。むしろ、適当に切られた「並」の方が厚さがあるので、牛タンの味をより強く感じる事が出来ます。
なので、あえて「並」の方をチョイスして、その分の予算を他のメニューに回すと言う選択肢も有効かと思われます。
『濃厚豚骨ラーメン』が前衛的過ぎた件の是非
軽く焼肉を堪能したら、本日の目当てである『イベリコ豚チャーシュー麺』をオーダーします。すると店主が出てきて
「今日は濃厚豚骨ラーメンの方が美味しいよ!」
「濃厚豚骨ラーメンもチャーシューはイベリコ豚だしね」
との事なので、あっさりメニューを変更して『濃厚豚骨ラーメン』をオーダーします。この柔軟な思考こそ『焼肉はせ川』を、より楽しむ為の秘訣です。
ちなみに『焼肉はせ川』のラーメンは、どれも基本的に「3種類の麺」が入ってきます。このコダワリこそ、料理好きな店主が繰り広げる「はせ川ワールド」なのです。
そして、当たり前ですが麺が3種類入っているので、ボリューム的には3人前となります。
そして『濃厚豚骨ラーメン』の降臨!
最初は「鍋に丼を入れるって新しいよね」みたいなビジュアルにショックを受けました。でも、スープも具も限界まで盛ってあるので、このような形で提供されるのも当然かもしれません。
しかし『濃厚豚骨ラーメン』の驚くべきポイントはソコでは無かったのです…
最初は横から見ていたので、ただのネギダクなラーメンにしか見えませんでした。しかし90度横から見てみると
「豚の顔を模している気がする…」
目がナルト、鼻と耳がイベリコ豚のチャーシューで構成されている模様。そういう方向で攻めて来たか…
「凄い凝ってますね~」
と褒めておきます(店主は褒められると伸びるタイプ)
特に豚の鼻の部分は、わざわざ穴を開けてリアルな造形に仕上がっています。たかがラーメンにここまで手を入れるのは流石です(ココは焼肉屋さんです)。
「でしょ? 豚の鼻は豚の鼻だからね!」
と店主。最初は何を言っているのか意味が分からなかったのですが
「それ、豚の鼻で作ったチャーシューだからね!」
と店主… ま、まあ確かに豚の耳とかミミガー的な何かで食べたりしますけど、わざわざ豚の鼻でチャーシューを作るって、正気ですか?
確かに豚の頭をコツコツ煮込んだと書いてあるので、豚の頭が材料にある事は予想出来ますが、まさか「豚の鼻」まで使うとは頭が下がるばかりです。
濃厚な豚骨スープが絶品!
かなり麺量があるので取り皿を購入し、取り分けて食べてみます。(取り皿は一枚15円と有料)
ちょっとリフトしたつもりが、ガッツリ入ってしまいましたが良しとしましょう。細麺なので時間が経つと危険ですからね。
そしてスープを飲んでみると… 美味しい!
ラーメン屋さんのように「複数の部位や骨」を煮込んでいる訳ではなさそうですが、カシラ(豚の頭骨)からガッツリと出た出汁は超濃厚です。
ちなみにラーメンマニア的に言わせて頂くと、頭は凄く良い出汁が取れるのですが、その下処理が大変なのです。ここまで雑味のないスープを取るとなると、かなり丁寧に洗わないと作れません。
ブリックスと言うか濃度的な何かを分かりやすく説明すると『天下一品』のラーメンに近いと言えるでしょう。味は全然違いますが、濃度的には似ています。
「このスープには太麺を使うべきでは?」
と言う疑問も無きにしも非ずですが、ココはラーメン屋さんでは無いし、これはこれでスープが絡むのでヨシとしましょう。
ちなみに麺は加水率高めでコシがあるタイプ。なので細麺のわりにはスープを吸いません。でも、スープの濃度が高いので、麺を口に運ぶと、自然にスープも入ってきます。
「濃厚なスープには太麺」
と言う定説も、必ずしも全てのラーメンに当てはまる訳では無いと言う事を、筆者も再確認した次第です。
『濃厚豚骨ラーメン』 総評
あくまでも焼肉屋さんのサイドメニューなのですが、色々な意味で常軌を逸しています。このボリューム(麺3玉)で600円って大丈夫ですか?
そしてボリュームや値段に目が行ってしまいがちな『焼肉はせ川』ですが、実はひとつひとつの料理が美味しい事を忘れてはなりません。
今回の『濃厚豚骨ラーメン』も濃厚でありながらも雑味のないスープ、イベリコ豚のチャーシュー、スープを良く運ぶ3種類の細麺、それぞれが完成されています。
若干、豚の鼻をチャーシューにする必要性の是非は問われるべき案件ですが、その「豚の鼻」独特の食感は、人生において一度は経験として食べてみるべきです。
良くも悪くも、そんな貴重な体験が焼肉屋さんで出来るって所が『焼肉はせ川』の魅力と言えるでしょう。
そして、下手をするとグロ全開なグラフィックになりがちな「豚の鼻」も、目を「ナルト」にする事でグロさが大幅に緩和され、むしろ可愛い感じに仕上がっている点も素晴らしいですね。
このクルクルした目とリアルな豚の鼻の対比は、芸術的な側面を持ち合わせ、従来のラーメンの盛り付けに一石を投じる、新しいラーメンかと思います。
と、言う訳で、みなさんも『焼肉はせ川』に訪れた際には、是非とも色々なサイドメニューを試してみて下さい。ちなみに『焼肉はせ川』は2名様以上の完全予約制なので必ず電話で予約してから行きましょう。
焼肉 はせ川 (予約制)
電話番号 042-765-5858
住所 神奈川県 相模原市南区 相模台4-11-6
営業時間 17:00~22:00
定休日 水曜日