神奈川県の相模原市、それも小田急線の駅がある微妙な地域「小田急相模原」のソウルフードを今回は紹介してみます。この店を知らないオダサガ人は居ないと断言出来る名店です。
その前に「小田急相模原」について軽く補足しておきましょう。
「小田急相模原駅」略して「オダサガ」と呼ばれる神奈川県でも屈指のデンジャラスゾーン、外人や不法滞在者も多く駅の南側は無法地帯、駅前を日本刀を持って上半身裸で走る男、ヤクザ絡みの発砲事件、殺人事件も日常茶飯事。
薬から風俗、チャカまでなんでも揃う、まさに現代の「ソドム」と呼ぶに相応しいワイルドなダウンタウンです。
と、言うのはずいぶん昔の話でして、1990年以降、特に駅ビルが完成してからは比較的「穏やかな街」になっています。筆者が知っている昔のオダサガと今のオダサガは、はっきり言って別の街です。
そんな変わりゆく街「オダサガ」で今も変わらず愛されている店があります。さして名産のない相模原市、親戚が遊びに来ても何を勧められる訳でもない土地柄ではありますが、この店だけは全国に誇れると思います。
ホワイト餃子系列『萬金餃子』を食す!
この店は本当に昔から人気があります。メニューは餃子を主体にスープが少々、中華料理屋さんと言うよりも、餃子専門店と言えるでしょう。
そんな『萬金餃子』の中で一番人気、もといベーシックスタンダードなのが『焼餃子』です。
若干、焼餃子と書くと宇都宮や静岡の浜松餃子が思い浮かびますが、この『萬金餃子』の『焼餃子』はひと味違います。
焼くと言うよりは「揚げ焼く」感じでしょうか? 厚めの皮がフワフワのサクサクに揚げ焼かれ、オダサガ独自のソウルフードに仕上がっているのです。
ちなみに、餃子の餡の方はさして特別な所はありません。『萬金餃子』は、この皮と揚げ焼きが肝なのです。
無論、餡も餃子としてバッチリでニラとニンニクが効いていてパンチがあります。まさにオダサガのアウトロー達が好みそうな味付けです。
そして、オダサガに住まう人々は、この店の餃子をデートコースに組み込みます。マックに行くのと同じ感覚で『萬金餃子』でガッツリ食べます。
どんだけ『萬金餃子』が好きなのかと、小一時間は問い詰めたい所ですが、美味しいのだから仕方ありませんね。
そんな感じなので、店内はいつも混んでいます。昼も混んでいるし夜も混んでいます。平日の20時過ぎに入っても満席です。
カップルから家族連れ、一人で食べに来る人も少なくありません。性別、年齢を超えて愛されています。正直、オダサガでこれほど混んでいる店は他にありません。
しかも、みんな10個、20個の焼餃子をペロリと食べます。筆者はオダサガ人では無いので『萬金餃子』の焼き(焼餃子の略)を20個は少々シンドイのですが、現地の人は普通に平らげます。
多分、この店が日本で一番餃子を売っているんじゃないでしょうか? お土産で持ち帰る人も少なくないので、かなりの数が出ているはずです。
餃子の餡の仕込みもキロどころか数十キロ単位、もしかしたら100キロ近く仕込んでいる日もあると思われます。
『萬金餃子』は水餃子もオススメ!
オダサガ人は普通に「焼餃子20個と玉子スープ」がデフォですが、筆者のような一般人は
「焼餃子10個、水餃子10個」
がベストかと思われます。『萬金餃子』の焼餃子は揚げ焼きなので重い仕上がり。それをスープで緩和するのですが、そのスープもそこそこのボリューム。
なので筆者のような素人は『水餃子』を組み合わせるのが妥当です。『萬金餃子』の『水餃子』は、中華料理の本場である中国に出張しまくった筆者から見てもレベル高いです。
この『水餃子』のスープが非常に美味しいので、あえて『玉子スープ』に行かなくても満足する事が出来ます。
『萬金餃子』 総評
とにかくオダサガ人の『萬金餃子』愛は半端ありません。逆に『萬金餃子』はそれほどまでに美味しいと言う事なのでしょう。
なので親子2世代に渡って通う人もいます。子供の頃に連れて行かれた『萬金餃子』に、自分の子供を連れて食べに行く。もはやDNAレベルで『萬金餃子』が刷り込まれていると言っても過言ではありません。
ちなみに『萬金餃子』は大変混む為に、独自のルールがあります。それは
「追加オーダー禁止!」
と言う非常に厳しいルールです。客の回転を上げる為の手段かもしれませんが、逆に「待っている人が早く座れるように」と言う配慮もあるのかもしれません。
しかも焼餃子は10個単位のオーダーなので、初めての人は戸惑う事になります。
10個じゃ少ないような気もするけど、20個はちょっと多いような気がする… そう思う人は少なくないでしょう。
しかし、それが『萬金餃子』なのです。通っているうちに、いつの間にか「焼き2」(焼き餃子20個)が普通になってしまうのです。
そして、希に他で餃子を食べると、つい『萬金餃子』と味を比べてしまうようになります。自分の中で餃子の基準が『萬金餃子』になってしまっている事実… この現実を受け入れた瞬間、貴方は『萬金餃子』への愛着を実感する事になるでしょう。
と、言う訳で「オダサガのソウルフード」と呼べる『萬金餃子』を紹介してみました。筆者も年に何度かは猛烈に食べたくなります。他の餃子では決して満たされない謎の欲求。それを満たす事が出来るのは『萬金餃子』だけなのです。
みなさんも是非『萬金餃子』の焼き餃子を食べてみて下さい。
萬金餃子
住所 神奈川県 相模原市南区 相南 4-1-7
営業時間 11:30~22:00
定休日 水曜日