怪しいネットワークビジネスを追え! ~5

  by mexicona  Tags :  


この連載ではNtBカレッジ(仮称)という『ネットワークビジネス』を行っている組織に関する様々な疑惑を取り上げていますが、行っている勧誘方法などにも様々な問題点が指摘されています。
今回は連鎖販売取引を規制している『特定商取引法』に絡めて、NtBカレッジに関して実際に私が相談を受けた案件などを踏まえて見ていきましょう。
 
 
 
■ご相談を受けた案件
 
2015年の10月。NtBカレッジに入会していた学生のAさんから個人的に「クーリング・オフの妨害を受けている」と言う旨のご相談を受けました。基本的に筆者の立場からは、問題点を整理した上で『消費生活センター』などの窓口に相談する事をすすめたりするだけですが、聞き取りをしていると様々な面からNtBカレッジの怪しい運営実体が浮かび上がってきました。

事例 1
18歳の学生であったAさん(女性)は、2015年の9月にSNSで知り合った勧誘者に誘われてNtBカレッジが主催するネットビジネスのセミナーに参加し、その後勧誘者から強引な勧誘を受けた。
 
セミナーを受講して初めてNtBカレッジの『入会金』が5万円だと知ったAさんは、勧誘者に対して「親に相談して検討してみます」と答えたものの勧誘者の強引な勧誘は続いた。学生であるAさんは、5万円のお金をすぐに用意できないという説明をしたものの、勧誘者はそれでもあきらめずに「明日か明後日に学生ローンを借りよう」と言い、結局Aさんは親にも相談出来ない状態で、誘導されるままに借り入れを行い『入学金』を支払ってしまった。
 
入会後、NtBカレッジから届いたDVDボックスに未成年の場合の親の同意書が入っていたが、父親に相談すると反対されて結局は同意書は出せないままであった。Aさんは勧誘者に対して同意書が出せない事を相談すると「自分も親に反対されたがやっている」等の説明を受け、一方的に「親のいうことをいつまでも聞いていても意味ない」などと言われて、押し切られる形になった。
 
さすがに、おかしいと思ったAさんはクーリング・オフをする事に決めて、NtBカレッジに対して指定されている手順に従いクーリング・オフの葉書を出した。しかし、勧誘者にクーリング・オフしようとした事が知れてしまうと勧誘者からしつこい引き留めを受けて困っている。

Aさんによると、そもそも勧誘者は非常に強引なやり方で勧誘を行い、断りに断り切れなくなって仕方なく申し込んでしまったと言うことです。
実際にAさんからLINEの通信録等を見せていただいたのですが、クーリングオフを撤回させようとする勧誘者から午前5時という非常識な時間帯に何度もLINEのメッセージが入っていたり、AさんがLINEでのやりとりを申してでも、電話で話し合いの場を持とうとしつこく持ちかけたりしていました。
 
 
 
■勧誘に先立って行うべき説明の問題
 
連鎖販売取引を規制している『特定商取引法』の第33条の2では以下のように定められています。

統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称(勧誘者又は一般連鎖販売業者にあつては、その連鎖販売業に係る統括者の氏名又は名称を含む。)、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。

※”統括者”というのはNtBカレッジの場合は代表のS氏という事になります。また”勧誘者”とは、一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者をいい、”一般連鎖販売業者”というのは、統括者又は勧誘者以外の者であって、連鎖販売業を行う全ての者をいいます。

要するに、勧誘する前に「誰々がやっている、これこれこう連鎖販売取引の勧誘ですが、話をきいてもらえませんか」と相手に告げる必要があるという事です。この勧誘というのは、その場で実際に契約や申し込みが出来るかどうかは関係なく、少なくとも「相手方の契約締結の意思形成に影響を与える行為」があれば”勧誘があった”と言えるとされています。
 
 
しばしば『ネットワークビジネス』を行っている団体の中には、会員に対しての勧誘方法の指導で、ホームパティーや同窓会、あるいは自宅への招待などで「たまたまビジネスの話が出た場合は勧誘ではない」と言った説明行っている場合があるようですが、そもそもこの法律はそうした”不意の勧誘”を防ぐことを目的としたものです。当然『連鎖販売取引』の勧誘である事を告げずに”ビジネスセミナー”や”事業説明会”といった名目で人を集めて勧誘を行えば、それは問題になるという事になります。
 
Aさんの事例で言うと、セミナーで初めて”特定負担を伴う取引”である事を知らされていますので、勧誘目的でセミナーに誘った勧誘者の行動には問題があると指摘できるでしょう。また、このセミナーを指導している講師の方も、これからセミナーを受けるかどうか選択ができる最初の段階で、そうした説明をしていなかったとなると”一般連鎖販売業者”として勧誘に先立って必要な説明を怠ったという事になる可能性が出てきます。
 
 
この勧誘に先立って必要な事柄を告げない無い行為は、Aさんの事例だけではなく他にも多数あるようです。別の事例としてNtBカレッジの勧誘を受けた大学生のGomi(仮名)さんの件を紹介しましょう。Gomiさんはその顛末記をネットに公開なさっていますが、さらに詳しいお話を伺うことが出来ましたのでネットに公開されていない部分を含めて、簡単にGomiさんの事例をまとめてみました。

事例 2
2015年10月。大学生のGomi(仮名)さんは、友人から「会いたい人がいる」と言われてHを紹介された。、Hと合う日程を調整していくうちに「ネットでお仕事って興味ありますか?」と言う話が出た。怪しいなと思いながらも、結局、未成年の友人2人とともに新宿にあるカフェで待ち合わせをする事になった。
 
カフェでは、HからFを紹介されて、そこで初めてHとFはNtBカレッジというものをやっており「月に10万儲けている」と言う説明を受ける事になった。そこに新たにNtBカレッジの会員である2人やってきて”転売と紹介”で利益が出るという話や、怪しげなビジネスモデルについての話をされ「リスクを取らずにコピペで簡単に稼げる」等の説明を受けることになった。
 
Gomiさんが「興味はあるけど入会金を払うお金がなくて…」と断ろうとすると、勧誘者Fから「じゃあクレカ作ればいいじゃん!」と提案があり、Gomiさんが同意しないうちから「いつ作る?明日空いてる?」と強引にクレジットカードを作らせようとした。

この事例においても「ネットでお仕事って興味ありますか?」というだけでは、勧誘に先立って伝えるべき要件を満たしているとは言えませんから問題があると言えるでしょう。
 
  
またこの事例では、複数の人間がターゲットの勧誘に関与していますが、これは『ABCシステム』としてよく知られている『マルチ商法』の勧誘テクニックの一つであることが指摘できます。
 
この『ABCシステム』における“A”はAdviserと呼ばれる立場で、システムや成功哲学などを語りその場での権威を持つ形に仕立て上げます。この事例では後からやってきた二人が相当します。今までマルチ商法を色々と渡り歩いてNtBカレッジに流れ着いたプロ会員の中には『Aさん』という呼び方をする場合があるようです。“B”はBridgeと呼ばれる橋渡し役でHとFが相当します。“B”は単なる紹介役ではなくて、“A”の話を「すごい話」などと持ち上げるT-upという役目が重要になります。“C”はターゲットとなるCustomerで、大学生とGomiさんと未成年の友人2人になります。
 
“B”“C”は何らかの接点がありますが、“A”“C”は何の接点も無く“C”からすると第三者の立場になります。出会ったばかりの人である“A”の話の評価が定まらないうちに、“B”“A”の話を「すごいすごい」と持ち上げることで、何か価値のある重要な事を言っているかの様に思わせるのがポイントです。
 
こうした一連の動きを見ていると、それぞれに役割を持って動いているわけですから”偶然NtBカレッジの会員が居合わせて、そうした形になった”とは考えにくく、最初から計画されていたことがうかがえます。また、こうした手法には指導や練習が必要な事からも、NtBカレッジの複数の会員がこうした問題がある勧誘活動に関与している可能性が指摘できるでしょう。
 
また組織的な関与で言うと、新宿をはじめ全国各地で開催されるNtBカレッジのセミナーなどでは、勧誘に先立って特定負担を伴う取引の勧誘である事を告げずに、「お小遣い稼ぎ」「インターネットビジネス」「コピペだけで月に数十万稼げる」という文言で告知や勧誘などが行われている事例が多くありNtBカレッジの本部や、代表であるS氏も積極的にそれに関与しているのを見つけることが出来ます。
 
 
 
■財産の状況から不適当と判断される勧誘の問題
 
Aさんは勧誘者に対して、NtBカレッジの『入学金』である5万円を持ち合わせていないとの説明をして断ったのですが、勧誘者は強引に19歳のAさんに学生ローンを借り入れさせています。これはお金が無い人に対して借金を背負わせてまで契約を迫る勧誘ですから、常識的に考えても問題がある行為だと言えるでしょう。
 
法律上の話でも、『特定商取引法』では連鎖販売契約において”取引の公正や相手方の利益を害するおそれがあるもの”の内容が省令で定められる形になっているのですが、そこには「連鎖販売取引の相手方の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うこと」という条項があり、相手の経済状況にそぐわない勧誘をしてはいけない事が書かれています。少しわかりにくいかもしれませんが、この省令の解説になる『特定商取引に関する法律等の施行について』という通達を見てみると「例えば、大学生に消費者金融業者から借り入れをさせてまで連鎖販売取引の勧誘をすることは本号に該当する」と具体的に書かれています。
 
先ほど紹介した大学生のGomi(仮名)さんの事例においても、お金が無い旨を告げているのにもかかわらずクレジットカードを強引に作らせようとされたわけですから、これが該当すると考えられます。
 
また筆者が直接その信頼性を確認できたわけではないのですが、ネット上に公開されている他の勧誘被害の報告を見てみても、お金のない学生にクレジットカードを作らせたり学生ローンから借り入れを行わせようとした事例をいくつか見つける事が出来ます。
 
 
 
■未成年の勧誘の問題

『連鎖販売取引』の契約を未成年である学生を勧誘することには問題があります。先ほど触れた「取引の公正や相手方の利益を害するおそれがあるものとして務省令で定めるもの」(特定商取引法第38条第1項第4号)に関して、務省令には以下の様な事項も定められています。

未成年者その他の者の判断力の不足に乗じ、連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結させること。

AさんやGomiさんの事例以外にもNtBカレッジでは、未成年を含めた学生等の若年層を積極的に勧誘しているようです。一応、親権者の『同意書』を出させる形になっているようですが、それが”エクスキューズ”として通用しうるものなのかはさらに検証を進めるべき所です。もっとも、それよりもその『同意書』が実質的に機能しているのか怪しいという点は重要な問題として指摘できるでしょう。
Aさんのケースを見直してみましょう。NtBカレッジでは『同意書』が無ければ契約が出来ないとしているのですが、Aさんは『同意書』を提出しないまま契約が進んでしまいクーリング・オフという手続きを取らなくてはならなくなっています。本来は契約できてしまう状態が”おかしい”はずです。NtBカレッジの事務手続きが恐ろしくずさんで『同意書』の意味をなしていないと指摘できるでしょう。
また勧誘者は『同意書』を出していない状況を理解しつつも、契約状態を続行させようとしている点も問題があると言えるでしょう。
 
 
 
■クーリング・オフ妨害の問題
 
『連鎖販売取引』のクーリングオフは法律で定められた消費者の権利ですが、統括者や勧誘者、一般連鎖販売取引業者が虚偽の説明を行ったり、威迫(人を脅して不安にさせ、従わせようとする行為)して当惑させたりする行為は罰則をもって禁止されています。
 
Aさんの事例では明らかに勧誘者から悪質なクーリング・オフの妨害を受けていたわけですが、単に一部の勧誘者が問題のある行動を取っているだけとは思えないフシがあります。
 
勧誘者とAさんとのLINEの実際の通信録を拝見すると、まずクーリング・オフの手続きを行ったことを告げた後も、勧誘者によるしつこい引き留め工作が展開されているのがわかります。これは非常に奇妙なことだと指摘できます。
まず、クーリング・オフは『発信主義』なので、クーリング・オフを申出る葉書などを投函した時点でその効力が発生することになります。Aさんは書面を既に投函している旨を勧誘者に伝えていますので、勧誘者がクーリング・オフを思いとどまらせる手立ては本来ならば、もう無いはずなのです。
それでも、しつこく勧誘者はしつこい引き留め工作を行っていますから、勧誘者はNtBカレッジの事務局と結託して“クーリング・オフを申出る書面を無かった事にする手立て”を持っている疑惑が出てきます。たとえ勧誘者がAさんを説得できたとしても、既に投函しているクーリング・オフの書面を”無かった事にする”には、受け取り側によって処分して『発信主義』であるはずの通知を無かったことにするというNtBカレッジの事務局の不正行為が不可欠なのです。
 
これらのことを踏まえて考えると、NtBカレッジ組織的にクーリング・オフ妨害を行っている可能性が濃厚であると言う指摘は出来るでしょう。
 
 
 

結局、Aさんには勧誘者とNtBカレッジの担当者に対して、こちらが法的な知識を持っている事を伝えてみることや、クーリング・オフを引き留めようとしても無駄である事などをアドバイスしました。結果的にAさんのクーリング・オフは成功し、きちんと返金を受け取ることが出来ました。
 
 
 
■批判するのが難しい勧誘

記事にて、この事例を公開する件についてAさんの許可を頂いたのですが、頂いているLINEのスクリーンショットなどは公開をしないでくださいとのお話でした。ともすれば自分が情報提供者として勧誘者に特定されてしまうことを気になされている様子でした。
 
実は人間関係をお金に換えていく『ネットワークビジネス』では、こうした構図は珍しくありません。まかりなりにも知り合いや友人がやっている事なので、たとえ被害を受けたとしても、直接的な批判や、あからさまに対立する立場にはなりたくないと考えてしまうのです。
またそれほど親しくなくても、学校や職場で今後も顔を合わせる機会があるとなると、なるだけ事を荒げたくないと考えるのも人情です。
 
確かに本気で心配してくれる人でなければ、たとえ社会的に問題がある様な活動であったとしても知り合いが熱心に行っている以上は中々、客観的な事実の指摘や批判的なことをいうことはしにくいはずです。嫌われたり険悪なることを覚悟の上で言わなければならないと判断をしなければ、否定的と捉えられてしまう様な事をいうのは難しいでしょう。
 
最近の『ネットワークビジネス』はそうした隙を突く形で「親しい人は勧誘しない」とといった指導をしている場合があります。こうした指導とともにマインドコントロールを推し進めることで、周囲が気がついたときには、すっかりと本人は信じ込んで深みにはまっている状態になっている場合も珍しくありません。
 
 

※勧誘時の説明で作られたノートの事例(Aさんとは別の案件のモノです)
 
 
  
■NtBカレッジの組織的な不正行為
 
NtBカレッジの勧誘における問題行為は、なにも勧誘者が主体になって行っているものばかりではありません。
独自に入手した『自動顧客獲得システム』(2015/11/27)という会員向けのマニュアルを見てみると、組織的な指導がなされている実態が浮かび上がってきます。
 
このマニュアル内容は、会員自身のホームページやメールなどでNtBカレッジの紹介文を作り広告誘導しようという内容で、一体どこが自動なのかよく分からない『自動顧客獲得システム』なわけですが、中に勧誘活動に関する禁止事項について具体的に触れられている部分があります。

 
内容を見てみると、赤字で「強引な勧誘や入会の強要などを絶対に行わない」や「虚偽の内容による勧誘行為をしない」あるいは「誇大表現を使った紹介活動をしない」といった注意事項が書かれていますので、一見法的な事にも注意を払って適切な勧誘活動を行う様に指導しているように見えます。『特定商取引法』などの知識がないままに、こうした資料を見せられた、NtBカレッジの会員の方は「きちんとしている組織」だと勘違いしてしまうかもしれません。しかし、その内容をよく見てみると『特定商取引法』で定められている勧誘に先立って行わなくてはならない事項について全く触れられていないのがわかります。
 
またこのマニュアルの中で主張している「虚偽の内容による勧誘行為をしない」や「誇大表現を使った紹介活動をしない」というのは、NtBカレッジジの実体と大きくかけ離れている事も指摘することができるでしょう。
 
 
このマニュアルでは虚偽の内容による勧誘行為の一例としてとして「・コピぺだけで月に数十万稼げてしまいます!(→事実ではありません)」という事例が書いてあり、NtBカレッジジ自身が、それは事実では無いのでそうした勧誘活動は行わないようにと会員に向けて警告しています。
 
ところがその一方で2015年11月09日にNtBカレッジジが主催してセミナーが新宿で開かれています。開催場所はNtBカレッジがテナントとして入居しているという高層ビルにあるスペースで、セミナーの講師となっているのはNtBカレッジの立ち上げメンバーでもあるN氏です。このセミナー告知の内容の詳細を見てみましょう。

1日たった一時間のコピペ作業で、
月に10万円稼げるとしたら
どうでしょう?
聞く価値はありませんか?

やることは『コピぺ』

ただ、それだけです。

また、こうしたセミナーの中にはNtBカレッジの名前を隠して行われているものも多くあります。例えば2015年11月14日には、主催を”インターネットビジネス学校”という名称にして、NtBカレッジのトップリーダーに位置しているU氏が講師となって、新宿の同じ場所で開催したセミナーがあります。セミナー告知には、そのタイトルとして「コピペするだけで月5~20万円稼げる方法!」と書かれています。

さらにマニュアル発行後の2015年12月21日にも、同じ新宿のスペースにおいて、「誰でも知れば出来る!”コピペ現金製造システム”公開!」というタイトルでセミナーを開催しており、そのセミナー告知には詳細として以下のようなものが書かれています。

コピペで月10〜20万円を稼げる方法

という、これまでこの世に出回ってこなかった
ありえない【超簡単な稼ぎ方】です!

ここで紹介したセミナーの事例はごく一例で、実際は全国各地で数多く行われていました。
NtBカレッジは十分に“事実では無い”ことを認識し、さらにそれが問題になることをわかっていながらも、継続して主体的に事実では無いことを主張して勧誘を行い続けていた実体が指摘できます。またNtBカレッジが事実であると認めていない以上、こはしたコピペだけで月に数十万円稼げるという表現が、誇大広告に該当する事を認識していると指摘できる点も重要です。

またこうしたセミナー告知には、本来あるべきと考えられるNtBカレッジの特定負担を伴う取引の勧誘である事を知らせる記載は一切なく、違法性が問われる告知が常態化しているというのも特徴です。
 
 
 
■NtBカレッジの勧誘方法

NtBカレッジの勧誘の特徴として、セミナーというものがキーポイントになります。勧誘者は何かと理由をつけてターゲットをセミナーに誘い出して、そこでターゲットに講師の話を聞かせようとします。そこで講師からさまざまな成功事例を見せられたり、いい加減なビジネスの話や、ポジティブシンキングなどの実践を解説させられたりして、ターゲットをその気にさせて入会させる形です。セミナーに誘い出す際に、法律で定められている勧誘に先立って告げなくてはならない事柄は無視されています。これは具体的な『ネットワークビジネス』への説得の第一段階をセミナー講師に任せる事が出来るので、勧誘者にとっては非常に楽な手法になります。もちろん違法性が問題になる行為ですが、これがNtBカレッジの勧誘システムのキーになっている部分だと指摘できるでしょう。
 
勧誘者からターゲットを預けられたセミナー講師の多くは、場慣れしていて大変話がうまく時には来場者を笑わせながら引き込んでいく術に長けているそうです。実際今まで指摘してきたとおりNtBカレッジは、様々な部分で嘘や誤魔化しが疑われる様な実体ですが、そうしたセミナーなどで講師という立場の”権威”を持った人物から、馴染みの無い単語などを使った説明を間近に受けてしまうと、たとえ事実では無いいい加減な話であったとしても、すっかりと信じてしまう事は珍しくはありません。人の”権威”に弱いという特性を突いてくるわけです。

 
その後は、研修や勉強会などの名目で個人の“夢”や”希望”を認識させながらマインドコントロールを行って、積極的に活動を行う会員に仕立て上げていく様子が垣間見れます。
そうした人は何も積極的な勧誘者になるだけではなくて、例えばセミナーなどでリアクションの演出をするサクラの様な活動を頼まれる事もあるでしょう。「話の良いタイミングでうなずくのは、参加者の理解を助けるため」といった説明を受けると良心の呵責も少なくなります。取り立てて難しい事では無いのですが、実はそうしたところから徐々に深みにはまって価値観が変えられていく危険性があるのです。結果的に、入会する前であれば一般的な価値観から否定的な立場を取っていた様な事柄であっても、許容し積極的に肯定したりしてしまう様になっていきます。そして、それを「成長」や「ビジネスの世界にこなれた」と言った言葉で賞賛する仕組みが存在していたりします。そうしたモノに、いい気になって乗せられていると大きく足を踏み外してしまう事につながりかねません。
 

また、こうした組織に長く所属していると社会的な倫理観よりも『ネットワークビジネス』をやっている人と人との繋がりの方が重要に思えるようになってきたりすることも珍しくはありません。一般的な社会常識から忠告してくれる人よりも、”『ネットワークビジネス』の仲間”の言葉の方に重きを置いてしまうわけです。しかし、その繋がりというのは本当の意味で価値があるものなのかは、一度冷静になって考える必要があると言えるでしょう。
 
 
続きます。
  
 
  
※本稿では現時点で正式な名称を記載する予定はありませんが『NtBカレッジ』は2016年7月現在も活動中です。読者の皆様には賢明なご判断をして頂ければ幸いです。
 
※もしNtBカレッジに該当すると思われる組織、あるいはその他組織に関して何かご情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、筆者のTwitterなど宛てにお気軽に教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 
 
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