株式会社NOVAが、新業態である「Concept NOVA」初の校舎としてNOVA錦糸町校をグランドオープンし、同社の事業発表会を開催したので取材した。
登壇した伊藤幸子社長から、8年前に破たんした事業を引き継いで立て直すにあたり共通したテーマとして、いかに生徒に通ってもらえるかということを課題に取り組んだことが説明された。
破たんした旧社は、学費の前払いで生徒にとってはもちろんのこと、会社にとってもレッスンが消費されないと売り上げになならないという負の面を持っていたことを見直し、レッスン内容により異なるが諸費用やテキストすべて込みで月額1万円や2万円のプランを打ち出すことにより双方にメリットがある方式にしたという。
また、旧社の破たん時に600校あった教室を260校にまで圧縮しリストラをはかった結果として薄くなった駅前を中心に今後500校を目指す方針が打ち出された。
ところで記者は、様々な英会話教室やネットでの英会話学習が乱立する中で、消費者は何をもって通うのだろうかと改めて考察してみた。
それは要するに、外国語が話したいという欲求、もしくは必要に迫られての学習に他ならない。とすれば、結果として話せるようにならなければ何もならないし、もちろん経営状況や通いやすい工夫は重要にしても、しゃべれるようになるのかということが本質であろうと考えた。そこで記者は経営陣にモデルケースとしてで構わないという条件で質問してみた。
--どれくらい通えば話せるようになりますか?
「英語初心者ですと、レッスンだけではなく自宅での学習もしていただくという前提ですが、週2回のレッスンでおよそ1年から1年半ではないでしょうか」
--それにはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか?
「月4回のレッスンで1万円が1口となります。これが2口で月8回ですのでちょうど週2回という計算になります。2口ですと19000円ですから12か月から18か月で228000円から342000円という計算です」
--日常会話がストレスなくできるということをネイティブスピーカーだと定義した場合、そうなりますでしょうか?
「私たちはネイティブスピーカーになれると確信しています」
その後に講師2対生徒と関係者4というフリーカンバセーションを体験した。通常は講師1に対して生徒4が基本だそうなので、スペシャルクラスということになるが、限られた時間内で報道関係者全員に雰囲気を体験してもらうためには仕方のないことだろう。
ちなみに記者は英語は話せない。しかし、笑顔で教室に迎え入れてくれた英国人講師の二人は矢継ぎ早に英語を浴びせてくる。
よく聞いているとそれほど難しい単語も文法も使っていないし、こちらが理解していないとわかるともっと簡単な単語でゆっくりと話してくるので、言っていることは「空気」でわかる。それに対してどう受け答えするかの問題だけになってくる。
実際に通えば話せるようになるのかどうかは、通ってないので記者にはわからない。しかし、外国人と会話をする障壁は講師2名が完全に取り除いてくれたことだけは確かである。気が付いたら約1時間ほど経過していて、大した話はしていないはずだが何とかなったような気がした。
この「気がした」というのは重要で、外国語を話さなければならないという緊張感と勝手に自分が作っていた高い障壁が取り除かれただけでも1時間の価値はあったと思う。
発音や文法や語彙能力はそれからでも構わないのかなとも感じた。
そういう点において外国語でのコミュニケーションに一歩踏み出す環境は整えられていると感じた取材だった。
もちろん、本人がその環境に飛び込む「勇気」と「覚悟」が必要なのは言うまでもない。
※写真はすべて記者撮影