裏町で人生を見つめながらほおばるトロトロの豚足! 大阪ミナミ『かどや』

  by 中将タカノリ  Tags :  

西日本一の歓楽街、大阪ミナミにもあまり一般のファミリー層や観光客が寄り付かないディ―プスポットが残されている。

酔っぱらいサラリーマン、職業不詳のジャージマン、やけに年齢差のあるビジネスカップルがぽつりぽつりと行き過ぎる街……それが難波中(なんばなか)

今回ご紹介する『かどや』はそんな難波中でもことさらうら寂しい路地にある。

かどやは昭和29年に創業し、屋台から店舗をかまえ現在まで大繁盛を続けているという立志伝中の名店だ。

名物は豚足とホルモン

豚足はトロトロに煮込まれているので臭みがなく、店構えとは対照的にあっさりと上品な味つけがほどこされている。

そのまま食べても十分に美味しいが、入店時に問答無用で提供されるネギまみれの特製ダレにつけても一層ナイス。

口中にまとわりつく豚足の食感と甘辛いタレ、ネギの爽味、ガヤガヤした店内の雰囲気が渾然一体となって気分はもうアジア!

嗚呼、亜細亜!!

ホルモン焼きはたっぷり大きいが下処理が良いのかいずれの部位もあっさりと、かつジューシーにいただける。

塩味だけで済ますか、タレにつけるかはその人の趣向というものだが、ふだん凡百の串料理店では塩派の僕が、かどやに来た時は断然タレ派だ。

かどやの味の神髄はこのタレにあるのではないか。

特にレバーとタレの親和性はすばらしい。

ややもすると野卑な感じのするレバーの香りを、肝心な部分はひきたて、余分はつつんで完璧な一品として完成させる。

レバー嫌いの人もここのレバーを食べてみれば好みが変わるかもしれない。

そのほかにも、生センマイや蒸し豚を代表にレベルの高いホルモン、豚料理が堪能できるこの店。

道頓堀や戎橋、アメリカ村もいいだろうが、観光地ナイズされた店や軽薄なコンセプト重視の店に飽きたと言う方には、難波中のかどやで人生を見つめながら一杯やることをおススメしたい。

『かどや』

住所:大阪市浪速区難波中1-4-15 南松竹マンション1F

営業時間:11:00~22:00
定休日:火曜日

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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