2015年レポート:「ジャーナリズムにおける、仮想現実(VR)の状況」(概要2)

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2015年レポート:「ジャーナリズムにおける、仮想現実(VR)の状況」(概要2)

 By Patrick Doyle、Gannett、2015年10月

 USA Today NetworkのVR Stories

 「ジャーナリズムにおける、仮想現実(VR)の状況」レポート(概要2)

 仮想現実(VR)は、実際の世界や空想の世界において、仮想的な体験ができる、実際の映像やグラフィクスやデータを使用して、コンピュータで生成された経験である。

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 BI IntelligenceとKzero Worldwideといった、市場調査会社は、2018年に、1000万台から3800万台のVRヘッドセットが販売されると予測している。

 Digi-Capitalは、2020年までに、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)市場における、売上が1500億ドルに達すると予測している。

 従来のメディア会社(新聞や雑誌、TV放送局など)は、インターネットやモバイル・デバイスを、メディアの伝達や表現に採用することに遅れていたので、この失敗を避けるために、早くから、VRコンテンツや360度ビデオを使用して、ニュース、ドキュメンタリー、話題、短編ドラマなどを、視聴者や読者に、新たなVR経験として提供することを開始した。

 2014年9月に、Gannettにより所有されている、The Des Moines Registerは、「Harvest of Change」という、アイオア州にある、農場の家族の生活を垣間見る、VRドキメンタリーを制作した。

 The Wall Street Journalは、2015年6月に、Nasdaq株価の上昇と下落に従って、上下する、仮想現実「ローラーコースター」をデビューした。

 2015年9月に、BBCは、北フランスのシリア移民キャンプにおける、難民の生活を紹介する、360度ビデオを制作した。

 2015年9月に、Frontlineは、Online News Associationコンファレンスにおいて、西アフリカにおける、感染性と毒性を持つエボラウイルスが原因となって発症する、エボラ出血熱の広がりに関する、360度ビデオの辞書、「エボラの大流行(Ebola Outbreak)」を紹介した。

 新たな、小さなジャーナリズムが、独自の方法で、VRコンテンツの制作に取り組んでいる。

 UnivisionとDisney-ABC Television Groupにより設立された、Fusionは、ユーザが、青クジラと泳ぐことのできる、360度グラフィクス・ビデオ「Blue Whale」をリリースした。

 読者を動機付ける方法を模索している、新たなメディア会社、RYOTは、米国とメキシコの国境にある牢獄の回りやネパールの地震などを、仮想的に経験できるようにする、VRビデオを作成した。

 フィルム制作会社、Chris Milkにより設立された、VR技術ベンダ、Vrseは、The New York TimesとUnited Nationsの両方と、それぞれ特徴のある、パートナーを組んだ。

 多くの実験プロジェクトが展開されているにも関わらず、VR技術は、まだ、初期の段階にあることは明らかである。

 技術ベンダは、ユーザに、目まいといった、悪い影響を与えない、手頃な価格で、高品質なVRヘッドセットを提供することに取り組んでいる。

 VRコンテンツの市場が拡大し、ユーザが増えなければ、VRコンテンツ制作者は、利益を上げることはできない。

 360度カメラやVRカメラのコストが高く、高速なコンピュータ処理パワーが必要で、オーサリング・ソフトウェアの価格が高く、高いスキルやセンスが必要なので、VRコンテンツを制作することは、極めて厄介である。

 フィルムメーカやメディア会社は、VRビデオや360度ビデオの操作方法や、新たなオーサリング・ツールやプログラミング言語を学習している。

 Gannettは、各ジャーナリズムの既存のVRプロジェクトを調査した。

・なぜ、VRコンテンツを制作したかったのですか?

・VRコンテンツを制作するために、何を学習したのですか?

・どのようにして、VRコンテンツ制作チームを編成したのですか?

・VRコンテンツ制作プロジェクトは、次に、どのようなことを計画しているのですか?

・ジャーナリズムのプラットフォームとして、VRの将来をどのように考えているのですか?

 「The State of Virtual Reality in Journalism 5は、VRコンテンツを制作するために、広く採用されている、メジャーなプラットフォームである。」と、Washington Postのデジタル編集者、Emilio Garcia-Ruiz氏は述べた。

 The Wall Street Journalのデジタル編集者は、「これまで、写真、ラジオ、TV、マルチメディア、さらに、Webが、「ジャーナリズムの将来」であると考えられていたように、VRが、「ジャーナリズムの将来」であると考えている。」と述べた。

 VR技術を使用することにより、デジタル編集者は、ユーザに、よりリアルな感覚を与えるために、ストーリに、さまざまな側面を付加できるようになる。

 「VR技術は、ニュースやジャーナリズムに深遠な効果を持たせる、新たなメディアの夜明けである。」と、Gannettのディレクタ、Niko Chauls氏は述べた。

 VR技術を使用して、ジャーナリストは、戦争の最前線、難民キャンプ、アカデミー賞の赤いカーペットなどの状況を、ユーザが、よりリアルに経験できるようにするだろう。

 RYOTのCOO、Molly Swenson氏は、「VR技術が、ユーザに、新鮮な目を通して、世界を見るための機会を与える。」と述べた。

 ジャーナリズムが提供する、VRコンテンツで、ユーザは、瞬間、場所、コミュニティの内側に踏み込み、見たり、聞いたりするとができるようになる。

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