5月28日、宮崎県の公式サイトで1964年(昭和39年)に県の各種シンボルが制定されてから今年で50周年に当たることを記念した解説ページが追加されました。解説ページは「県旗」「県花」「県鳥」「県民歌」の4種類あり、その中でも特に目を引くのが「県旗」のページです。
都道府県の旗は大半が県章をそのまま、もしくは群馬県や山梨県のように県章のデザインを一部アレンジしたものを使用していますが、宮崎県はページ内の解説にもあるように兵庫県・愛媛県・佐賀県・大分県と並んで県章と県旗でまったく別のデザインを使用している全国でも数少ない県の一つです。宮崎県章(画像左上)は今から100年以上も前の1912年(明治45年)に作られたもので全国の都道府県章としては東京都(1889年に制定された旧東京市章を1943年に継承)、千葉県(1909年制定)、大分県(1911年制定)に次いで4番目に古く、旧国名の「日向」を太陽から三方に光が差す形状をイメージしてデザインしたもので、県旗のデザイン公募に際しても県章をそのまま使用するか新規にデザインを起こすかで意見が分かれたことが詳しく説明されています。
結局、募集要項では「デザインには県章を使用しても差し支えない」との一文が最初に明記され、403点の応募作品は大半が県章をそのままないし一部アレンジしたものが最終審査に残りました。しかし、2点に絞り込まれた最終案は白地に日向灘の青で彩った片仮名の「ミ」を陽光を表す赤い円で囲んだ図案と、緑地に漢字の「宮」を円形にデザインした黄色いマークを配置したいずれも県章とは無関係な新規の図案となり、結果的にどちらの図案も甲乙付けがたいと言うことで図案は前者の片仮名の「ミ」、配色は後者の「緑地に黄色」が採用されて現在のデザインが完成したそうです。
都道府県の公式サイトでは県旗や県民歌を始めとする県のシンボルについて紹介するページが必ずと言って良いほど設けられていますが、宮崎県が作成したページのように成立までの過程を詳しく紹介したものは珍しく、他の都道府県でも参考になるのではないでしようか。
宮崎県:県旗が決まるまで
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/honbu/hisho/info/page00816.html [リンク]