日本の防災対策、外国人の目にはどう映る?

  by yasu524  Tags :  

今週末に投票日を迎える東京都知事選の争点の一つとなっているのが、防災対策。東日本大震災以降、日本では防災対策が整備されつつあるものの、日本で暮らす外国人の方々の中には、これまで一度も地震を経験したことの無い方もいます。そのため、実際に地震が起きた場合、どのような行動をすれば良いか分からない外国人の方々も多く存在することのことです。

このような問題を解決し、地震が起きた際も外国人の方々が落ち着いて行動できるようになるために、外国人向けの防災訓練が、2月初旬に練馬区にあるインターナショナルスクールであるアオバジャパン・インターナショナルスクールによって開催されました。

4カ国語対応スタッフによる地震対策解説

会場内の体育館では、日本語のほか、英語、中国語、韓国語が堪能なスタッフにより、地震対策に関するパネルの解説が行われていました。地震が起きた時の行動を順を追って解説するスタッフの方に対して、具体的に状況に対してどのように行動すればいいか熱心に質問する外国人カップルの姿が印象的でした。
防災対策意識について質問したところ、普段はあまり意識していないため、このような機会で震災について深く学びたいとのことでした。

 

震災疑似体験ブース

その他、実際に地震が起きた際でも冷静に行動できるよう、消化器の使用方法をレクチャーするスペースやはしご車体験など、様々なレクチャーが行われました。その中でも、多くの外国人の方々が興味深く体験していたのが、震災時の揺れを疑似体験することのできる起震乗車訓練ブースでした。このブースでは、阪神淡路大震災時を再現した揺れをはじめ、計8種類の揺れを実際に車の中で体験することができました。

体験車に乗り揺れを体験する前に、運営係の方が震災時の対応について解説したうえで、車に乗り震災の揺れを体験する流れとなっており、これまでにあまり震災を経験したことのない方々は、恐る恐る車に乗り込み震災を疑似体験していました。揺れに対して少し驚いた様子を見せる外国人の方々でしたが、係の方に指導された通り、揺れが治まるまでテーブルの下に潜り、テーブルの脚をつかみながら揺れが落ち着くのを待った後、ガスコンロを切り、ブレーカーを落とし、落ちついて行動することができていました。

 

炊き出しはトマトスープ

同イベントでは、炊き出しコーナーもありました。炊き出しでの定番メニューといえば、豚汁。しかし、宗教上の理由から豚を食べることができない外国人の方も多く存在します。そのため、同イベントでは、そのような外国人の方々にも配慮し、豚汁ではなくトマトスープが炊き出しとして出されていました。トマトスープは野菜たっぷりで、栄養もしっかり摂れ、身体を温めることができそうです。

このように、日本人からすると当たり前になっている防災対策ですが、外国人の立場からみると、まだ十分に浸透していないことが分かりました。今回のイベントを主催したアオバジャパン・インターナショナルスクールの担当者によると、グローバルで活躍できる人材を育てる教育機関であり、国籍や宗教の様々な人が集まる同校だからこそできる地域への貢献の一環として、このようなイベントを開催したとのことでした。同イベント練馬区初の開催とのことですが、今後このような取り組みが広がり、外国人にとっても、安心して暮らせる日本になることが期待されます。

もろもろ修行中。 好きな言葉は悠々自適。犬と猫とビールと海とFujiRockが好きです。

ウェブサイト: http://yasu524.seesaa.net/ http://www.facebook.com/profile.php?id=1596843857