先週に『Amazon.co.jp』でデジカメ用の保護フィルムを注文しました。手元に届き明細書を見たら、『20歳未満の未成年者の飲酒は法律で禁止されています。』と書かれていました。「20未満の未成年者」という部分に対しても突っ込みができますが、そもそもデジカメ用の保護フィルムに対して何故飲酒警告が出るのか?という疑問があります。
デジカメ用液晶保護シートを注文した納品書。何故だか未成年者への飲酒禁止の警告が印字されている。 もちろん、お酒などは注文していない。
これを一時的な面白さに取るか?
この明細書だけを見せても、「面白いね」と思うだけの人が多いと思います。また、一時的な間違えだね?と聞き流してしまう人が多いと思います。 しかし、これからの時代ではこの間違えが多くの問題を生むことになると考えます。
中央データは間違っていないという厳格なマニュアル主義
Amazonの場合は決済時の判断を、システムのプログラムで行うので当然のように中央のデータを100%信用します。店舗でもコンビニや大型量販店のアルバイトなどは厳格なマニュアルとPOSレジスターの指示に基づき仕事を行います。昔であれば、中央から末端に指示が流れる段階で明らかに変な問題は自然に訂正されます。 今だとPOSレジが未成年者に売らないと警告を出したらどのような商品であっても未成年者には販売しないだろうと考えます。 もちろん、レジスタッフはおかしさに気が付いているかもしれませんが、下手なことをして職を失うくらいなら、マニュアルに従って仕事を続けるほうが良いと考えているかもしれません。
実際のケース『キリンフリー』
キリンのノンアルコールビールテイスト飲料の『キリンフリー』は日本の法律では誰でも購入して飲むことができます。 しかし、コンビニで購入しようとした場合にはPOSが未成年者への販売を禁止する警告が出ていました。この動きは、コンビニ本部の意向が疑いを差し挟む余地なく全スタッフに伝わっているということなのでしょう。末端のスタッフはおかしいと思いながら未成年者にノンアルコールビールテイスト飲料を売らないという判断をしていると思います。 または、POSがそういう指示を出したのだからそれは正しいと本気で思っているのかもしれません。
映画『未来世紀ブラジル』が現実に?
古い映画ですが1986年に公開された『未来世紀ブラジル』という映画があります。この映画では、中央の機械式のコンピュータに虫が引っかかり、データが狂い冤罪者が逮捕されてしまいます。 そして、その誤認逮捕を目撃した女性とそれを手助けする主人公が不幸に巻き込まれるという悲劇的な話です。もちろん、娯楽作品ですが、この映画では、近いうちに訪れる情報化時代の、「間違えを誰も指摘しない」、「間違えに対して関心を持たない」、「中央の指示だから間違えはない」という考え方を警告していると考えます。
この映画のような世界が急に現実世界に現れるとは感じてはいないですが、現実世界もそれに近くなっているのではと感じます。