ラインナップには『シベリア超特急2』も! 閉館から10年…「銀座シネパトス復活映画祭」vol.1開幕

  by ときたたかし  Tags :  

現在、東京・池袋HUMAXシネマズにて「銀座シネパトス復活映画祭」が開催中です。銀座シネパトス閉館からまもなく10年、今回「Vol.1」として同映画館をイメージしやすい4作品を上映しています。

■https://www.humax-cinema.co.jp/news/292649/ [リンク]

銀座シネパトスの詳細な歴史は公式サイトに譲りますが、長らく東京・東銀座に存在した映画館です。B級・C級のアクション作品・ホラー・エロ・アート系・ドキュメンタリー・往年の日本映画まで何でもありの番組編成で映画ファンに親しまれていましたが、2012年、耐震性の問題により取り壊しが決定。華やかでメジャー感のある有楽町近辺とはある意味対照的な昭和の雰囲気が漂う映画館でしたが、45年の歴史の幕を閉じました。そして、このほど銀座シネパトスと同じくヒューマックスシネマが運営する池袋HUMAXシネマズにて、映画祭というスタイルで復活を遂げました。


上映作品は4作品。6月2日(木)の最終日までローテーションで上映しています。選定基準はパトスを連想するゆかりの作品たちだそうで、

『ウイラード』(日本公開:1971年)
『ベン』(日本公開:1972年)
『パラサイト 半地下の家族』(日本公開:2020年)
『シベリア超特急2』(公開:2001年)

の4作品です。最後の支配人、鈴木伸英氏による作品紹介が面白いので、ぜひチェックしてみてください。


なお、同映画祭の開催を受け、当時の水野晴郎事務所の敏腕スタッフで現在はサメ映画を紹介するサメンテーターとして活躍中の中野ダンキチ氏より喜びのコメントがガジェット通信に独占で届いています。

『シベリア超特急2』が再び上映されるという。
しかも「銀座シネパトス復活映画祭」という企画内で!
こりゃ~うれしいじゃないですか。

思い返せば2000年の公開時の私は、その後に水野晴郎事務所に所属することになるなど想像すらしていない時期でした。
「あの『シベリア超特急』の続編が出来た!」ということで、胸躍らせて銀座シネパトスに駆けつけたことを今でも鮮明に思い出します。

水野扮する山下閣下が登場する度に、色々な意味でハラハラしつつ「やっぱりスゲーっ!」と心の中で大喝采。
やがてやって来る「ヤメター」セリフの一撃に、完全に心を持っていかれたものでした。

当時は今のように情報過多では無かった時代です。
前情報も無く観た『シベリア超特急2』は、タイトルでは“超特急“を押し出しているのに、舞台は“ホテル”で、一向に列車が出て来ない意外性にも驚かされました。
さらには銀座シネパトスとあって、まるでそんな列車が出て来ない状況を補うかのように、時折聞こえてくる「ゴゴー」という銀座線の音に妙な臨場感を感じ、それすらも演出の一部として大いに感激したものです。

映画館での上映は、いつ以来となるのか全く記憶にありませんので、とにかく貴重な上映であることに間違い無し!
数々の豪華キャストの競演、長回しや階段落ちなどの映像的な面白さ、そして膝から崩れ落ちるような驚愕の展開と、『シベリア超特急』シリーズの中でも、特に「映画はエンターテインメント、面白くなくっちゃー」という水野晴郎…もといMIKE MIZNO監督の魂や情熱が、各シーンごとにヤバいほど炸裂している作品です。
ぜひ数多くの皆様にご覧いただきたいものです。

なお余談ですが、当時鑑賞時に私の二つ前の座席には中高年夫婦が座っておりました。
本編が始まった直後から、首をかしげたり、何やらコソコソ会話をしたと思いきや、スックと立ち上がり劇場を後に…。
およそ45分程度で退席されるシーンを目撃したことも追記させていただきます。

やっぱりスゴいぜシベ超2!


■『銀座シネパトス復活映画祭』vol1 上映概要
開催期間:~6/2(木)まで
開催劇場:池袋HUMAXシネマズ
料金一般:1,300円 その他池袋HUMAXシネマズ通常料金

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo