大統領選挙投票日から4日経過しているが、未だにCNNは選挙開票を四六時中放送している。未だ決定していないのである。
バイデンが新大統領に就任すると大方予想はされているが、それでも結果がでるまでは何が起こるかわからない。
さて、トランプは大敗すると思っていたのに、これ程までに大接戦であるのに驚かされた。トランプは楽勝すると踏んでいたのだろうが、蓋を開ければ抜きつ抜かれつの選挙になるとは、トランプ自身想定外のことだったであろう。
この大接戦の2020年大統領選を通して思ったのは、討論会であの見苦しくバイデンを罵倒さえしなければ、トランプは実は余裕で勝てていたのだ。あれ程迄の醜態を晒しながらのこの大接戦!批判はされつつも強烈なキャラクターは受け入れられていたのだと思う。
だからこそ、もし、トランプに”柔の心得”があれば、再選できる道筋を自ら外すことはなかったのではないだろうか。
日本には武道がある。柔道、剣道、合気道、すべてに道がある。対戦相手に最初に一礼して、対戦を終えて勝っても負けても同じく一礼をして対戦を終える。そこには礼節がある。それも大事な武道の要素だ。
美空ひばりが1964年の紅白歌合戦のトリで歌ったのは『柔』。その年は東京オリンピックが開催され、柔道が正式競技に採用され日本は盛り上がった。言うまでもなく『柔』は大ヒットした。
トランプに討論会前に聞かせたかった、この歌詞を….
勝つと思うな、思えば負けよ
関沢新一の作詞だが、吉田兼好『徒然草』に出てくる双六の名人の言葉として登場するのをヒントにしたそうだ。
勝たんと打つべからず、負けじと打つべきなり
討論会では現職大統領として獅子の如く、王者の風格を見せるべきだったのだ。挑戦者に対して余裕を見せる姿勢も欲しいし、勝つだけを意識するのではなく、負ける意識も心の隅に多少はあった方がよかった。ぜんざいを作る時は砂糖だけでなく、塩を少量入れると味が引き締まるのと若干似通うと言うか…..
あれだけテレビで恥を晒すような醜態を見せた討論会でも、これだけの得票数を得たのだ。ほんの少しだけでいいから紳士的な態度をとれば、大統領の地位を失うことはなかったと思う。
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