沖縄県出身者やその2世、3世が多く住み、“沖縄ストリート”を形成する横浜市鶴見区の仲通商店街を舞台にした映画「だからよ~鶴見」の制作が進んでいる。
コンセプトは「故郷」、「人情」そして「未来へ」。沖縄物産店で働く主人公が、沖縄角力(おきなわずもう)大会へ出場を通して恋に友情に揺れ動くというストーリーを通し、鶴見の町の魅力を観る者に伝えようという意欲作だ。
今回、筆者は本作に出演する音楽デュオ“いーどぅし”のかーなーさんとなみなみさんにお話をうかがった。かーなーさん(画像中央)は主演のガレッジセール・川田弘樹さんのヒロイン役、なみなみさん(画像左)は登場人物たちが集うボリビア料理店の店員役を務める。
――お二人は今回が俳優デビューですね。しかもかーなーさんはヒロイン!
かーなー:もっと端っこの役かと思ってたんですけどヒロイン役と知って「まじか!」と……。自分の中でスイッチ入って1か月で体脂肪5%落としました(笑)。
――どんな役柄なんですか?
かーなー:主人公に一目ぼれされて一方的に好きになられる役です。歌手になる夢を追って頑張ってる女の子で、彼女が落ち込んだりしてる時に励ましてくれるボリビア料理店の店員さん役がなみなみです。
なみなみ:私が励ますんです(笑)。オーディションに落ちてしまって沖縄に帰ろうとするヒロインを、一緒に沖縄の歌を歌って励ます、みたいな。
かーなー:現実で私がなみなみに励まされることってほとんどないんですよ。むしろ逆の関係なんで「音楽辞める……(泣)」みたいなこと言いながらなみなみに励まされてるのは凄い違和感でした(笑)。
――いつもデュオとして一緒に活動してる二人がお芝居をするとなると、照れや恥ずかしさはありませんでしたか?
なみなみ:ありましたね。お芝居してる自分たちを客観的に見てしまって「何してるんだろ今」って(笑)。
かーなー:二人のシーンになると笑ってしまう(笑)。
――主役はガレッジセールの川田広樹さんですね。面識はあったんですか?
かーなー:以前イベントで何回かお会いしたことがありました。
――どんな印象ですか?
かーなー:めちゃくちゃいい人なんです。周りも「川田さんが相手役でよかったね」って言うくらい。
なみなみ:大先輩なのにみんなに対してすごく優しいです。
――川田さんは46歳でかーなーさんとは倍くらい年が離れてるんですが、ヒロイン役をすることに苦労はありませんでしたか?
かーなー:演じていて年の差を意識することはありませんでしたね。自然にできたと思います。
――キスシーンとかあったりするんでしょうか?
かーなー:ないですよー(笑)。一方的に好きになられてるだけの役なので、そんなに触れ合ったりすることはないんです。
――一緒に演じていて本当に好きになってしまいそうな瞬間はありませんでしたか?
かーなー:川田さんが演じる主人公はかなり熱い人で、ヒロインは全然気がないのに何度もアタックしてくるんですよ。土下座してきたり……現実だったら嫌なタイプなので……(笑)。
でも素の川田さんは人間のできた、本当にいい方です。
――映画の見どころを教えてください。
かーなー:登場人物の関係性やストーリーももちろんですが、舞台になっている鶴見の街の魅力を感じてもらえたらと思っています。鶴見、特に仲通商店街は沖縄から移住した2世、3世の方が多いみたいです。いろんな背景を持った方が共存している、あの独特の雰囲気は映画にとっても大切な要素だと思います。
あと、私たちもこの映画に出会うまで知らなかったんですけど、沖縄角力もとても重要なテーマなんです。この映画をきっかけに沖縄の伝統文化、沖縄角力に興味を持つ人が増えてくれたらいいなと思います。
いーどぅし
沖縄出身、沖縄県立芸術大学で古典芸能を学んだかーなーとなみなみによる音楽デュオ。YOUTUBEで公開した『海の声』カバー動画が250万回再生を記録し注目を浴びる。2018年『君となら』が沖縄県の飲酒運転撲滅テレビCMソングに起用。2019年8月1日にBEGIN・島袋優をプロデューサーに迎えた3rdアルバム『OKINAWANBLUE』をリリース。
公式サイト(リンク)
「だからよ~鶴見」は2020年4月の沖縄国際映画祭を皮切りに各地で公開予定。
また同作はクラウドファンディングを呼びかけており、出資者はグッズ進呈や試写会、打上げ参加の特典あり。クラウドファンディングサイトでは制作の進行状況も定期的に報告しているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
川田広樹(ガレッジセール)主演!映画「だからよ~鶴見」製作支援プロジェクト(リンク)