[閲覧注意] 運転士は重度のうつに!人身事故の現場はまさに地獄!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

全国を通して年中起こる電車の遅延。もちろん、信号機の故障や車内トラブルでの緊急停車、車両不良など様々な原因はありますが、中には“人身事故”というものがあります。

私も何度か人身事故での電車の遅れに遭遇したことがありますが、その現場というのは一体どのようなものなのでしょうか。

今回は、関西の某私鉄で働く車両担当のBさん(勤務歴21年/43歳)に、その凄惨な現場の話を聞くことができました。

死んでいても“救出”と呼ぶ

丸野(以下、丸)「よく起こっている人身事故ですが、現場にいる方々の対応というのはどうされていのですか? どんな雰囲気なのでしょう?」

Bさん「運転士は、常に事故が起こることを頭の片隅に置いていますが、やはり顔面は蒼白ですね。でも、やっぱり人身事故では、遺体はバラバラの場合が多いです。線路上のご遺体は、保線社員が回収し、車両自体に残っているものは車両担当が行います。ひどく損傷した車両の場合は車軸部分に巻き付いている場合もあるので、車庫に戻してから車両担当が処理に当たります」

丸「ちゃんと分担制なんですね」

Bさん「この場合、遺体を回収するとは言いません。亡くなっているとわかっていても、“救出活動”と呼びます。生存反応があるかどうかは、医師が判断するので、回収しているときは“救出”なんです。昔は遺体のことを“マグロ”と言っていたんですが、もう最近では使いません」

丸「遺体のことをマグロと言っていたんですか。で、それは手袋か何かをして?」

Bさん「そうです。現場は強烈な死臭が漂っているので、正直気分が悪くなります。ですから、常備しているマスクも付けて行うようにしています。肉片はこまかいものから大きなものまで様々です。車両担当は、車体に付着した人の脂を落とすのが大変らしいです。」

運転再開が遅れる原因は?

丸「一番大変なのは?」

Bさん「拾い漏れがないかどうかということで、広範囲に飛び散っているときは大変です。後で問題になりますから……。保線社員と警察官、現場にやってきた葬儀屋さんとで行ったりする機会が多いのですが、一度などどうしても肝臓が見つからなくて。次の日に駅のホームにある駅名看板の上にキレイな状態のまま乗っかっていたことがありました」

丸「へぇ……、そんなことが。恐ろしいですね。運転再開までかなり時間がかかりますが、何をしているんですか?」

Bさん「出てくるまで探すのに時間がかかりますし、さらに警察の現場検証に時間がかかっているときですね。我々、鉄道マンも早く電車を動かしたいのですが、それができないもどかしさがあります」

丸「なるほど。細かい部分はどうするんですか?」

Bさん「さすがに集められないので、血液と一緒に水で洗い流します。

トラウマを抱え、うつを発症する運転士もいる

丸「人身事故に直面してしまった運転士さんはどうしていますか?」

Bさん「やっぱり慣れることはないし、現場では取り乱していますね。“俺は悪くない”とずっと呟いて、気持ちを落ち着かせている運転士もいます。一番ショックなのは、運転席の窓ガラスに飛び込んでくるときですね。そのまま落ちて、ゴリゴリと轢死してしまうわけですから。やはり300m~500mはそのまま走行してしまうので、もう助からないわけですよ。相手が若い女性だった場合とかもショックが大きいと聞いたことがあります」

丸「それはショックですね」

Bさん「ええ。今まで生きていたのに、救出活動が終わると袋詰めになっているわけですから……。彼らには、遺体は拾わせないようにしています。事故処理レスキュー(消防隊員)や警察官がくるまで、駅の車掌を含めてみんなでとりあえず回収しますね

丸「精神的ショックを抱えたまま、乗務を続けられるものなんですか?」

Bさん「一度人身事故を起こすと、ほぼほぼそのトラウマでもう二度と操縦したくないと異動しますね。一番最悪なのは、運転士見習いのときに、人身事故と遭遇して運転士の仕事を断念してしまう人ですね。鉄道業界から去る人もいます。うつになる人間も知り合いの中にはいます

丸「うつ病ですか」

Bさん「運転士には、なんの罪もないのですが、時々“この人殺し!”と逆ギレしてくる遺族もいるようで。それを言われた運転士は重度のうつと診断されて、今も治療を行っています。友人なんですが、突然時間が止まったように動かなくなったり、いきなり業務中に泣き出したりして大変でした。奥さんが一番大変でしょうけどね」

最後にBさんに質問したのは、人身事故によって出た損害を残った遺族は支払わなければいかないのかどうか。
Bさんはこのように答えました。

「電車に飛び込んだ本人の過失。鉄道会社が訴えを起こすことは稀ですし、訴えを起こしたケースでも相続放棄か数百万の示談金を支払うというのが一般的です」とのこと。いずれにしても、遺体の損傷が最もヒドいと言われる自殺法、電車への飛び込みなどするべきではないと心底思いました。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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