どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
40代で厄年をやっと過ぎた私。根無し草の生活に嫌気が差し、考えたのは、しっかりとした会社への“転職”でした。
安心、安定を目指したミドル世代である私の就職記、ぜひ聞いてやってください。
日本は狭い、もう海外だ!
日本人気質でお正月は自宅で家族と過ごすことをモットーに一年を過ごしている私なのだが、この日本国内での就職というのは、やはりこの年齢では、東大に入るよりも難しすぎる。
AV制作会社や情報商材の会社からは誘われることは多々あるのですが、家族と世間の目があるゆえに、そんなところに入るわけにもいかず、眠れない夜を送るわけだよね、9%ストロングをチビリと飲りながら……。
そこで、海外出張での就職を考えたわけだ。
ネット検索してみると、“英語力不問”の転職サイトも、ちゃんと存在している。
オレとしては、勃起力と英語力だけは不問で願いたいと考えていた。
その中には、“日本語教師”というものもあるし、“不動産コンサルタント”なんてのもあるし、“ラーメン職人(マニュアル通りに作るだけで大丈夫)”なんてのもある。中には、“エグゼクティブマネージャー”という何をするのかまったくわからないお仕事もある。とりあえず、何かをマネージメントするわけだよな、四十路男が!
お国も、フィリピン、ハノイ、クアラルンプール、マレーシア、シンガポールと選りどりみどり!
まぁクアラルンプールなんて、どんな国だかまったくわからないのだけれども……。
で、選んだのは、可愛がってもらっている映画プロデューサーさんが映画を作ったりしているインドネシア! そこでの“企画編集ディレクション”の仕事! これなら、なんとか自分でもできる仕事だ!
えっ? そのレートって何?
「よぉ~し!」と勇んでWeb応募してみますと、早速面接と相成った。おお、さすが海外! 対応のスピードがグローバルだよね!
会社は、大阪本町にあるバカでかいオフィスビルに入っていて、企業規模がそれだけでもわかる。
面接官は2名で、ひとりは取締役。なんでも、プロライターでいろんな活動をしているオレに興味を持ってくれていたそうだ。わかってくれる人はわかってくれる!
今までの仕事で何をやっていたのかをいろいろと聞かれ、自分のWebサイトを見せたり、動画を観せたり……。
「いやぁ、思っていたとおり、丸野さんは面白いことをやっている人ですね。非常に興味を持ちました」
おっ、好感触! いい男だね、わかってくれるとはありがたい!
取締役は、にこやかにその言葉で面接を締めくくり、最後にオレにこう投げかけてきた。
「収入は〇〇〇〇ルピアでよろしいでしょうか?」
ふあっ? 突然の謎レート‼ ルピアですか? なんですか、それは? えーと? んん?
あー、ググりたい! 今すぐググりたい!
「はぁ……ちょっと、待ってくださいね。う~ん」
「3200万ルピアは、日本円で25万円程度です。もちろん税込みになりますが……」
取締役が助け舟を出してくれたのはいいのだが、25万円で未知のインドネシアへ移住するというのは、意味が分からん……。
しかも家族を連れて行くなんてことはできない……。向こう行ったら、鏡餅も売ってないし、門松もないだろうし、ウォシュレットもないだろうし、親の墓参りにも行きにくいし……。オレのバカ! へたれ! 海外オンチ!
というわけで、いったん持ち帰りましたが、海外での就職は見事玉砕と相成った……。
就活がうまくいかないのは風水的が悪いのではないだろうか?
いろいろと就職するために工夫はしているし、何がいけないのか……。
そのような思いばかりが頭の中を駆け巡っている。この気持ち、40代の就活中のみなさんはわかると思う。
ビールを飲みながら、結論として出たのは、就職活動がうまくいかないのは、運が足りないのではないのかということだった。
そうだ、運だよ。お百度参りをするべきか、行水で悪運を払うべきか……。いや、そんなことではない。問題はこの家だ。この家が風水的に悪いわけだ。
妻が出かけているあいだに、オレは、Amazonで買ったDr.コパの本を読み、自宅の悪運を払い、幸運を呼び寄せることにした。まずは、玄関……。
玄関の方角に問題はない。でも、明るく、清潔に……と書かれている。とにかく掃除をする。さらには、観葉植物や花を置くといいので、ベランダにある名も知らぬ変な花を配置。
その上で、明るい雰囲気になるように、絵画を飾るのがいいらしいので、何が書かれているのかわからない子供の絵を飾ろう! もっと運気を上げたいのであれば、アロマなどの香りを漂わせるほうがいいのか……。
トイレに芳香剤があったから、キンモクセイのニオイがするサワデーを置いてみるか!
1時間後、妻が帰ってきたのだが、玄関で絶叫が聞こえた。
「なんなんこれ! なんでこんなことになってるん?!」
風水だよ……と伝えるヒマもなく、妻にこっぴどく怒られたオレは、静かにすべてものを片付けた……。
≫≫『超ブラック企業と出会ってしまう』へ続く
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