浦和美園(うらわみその)という地名から、なにを想起する?
サッカー好きは埼玉スタジアム2002への最寄り駅、鉄道好きは埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線の終点、東京メトロ南北線や東急目黒線のユーザーには「行ったことないけど埼玉の終点の地」ぐらいで知られている地名かもしれない。
2001年に開業した「まわりになにもない駅」が、20年めをむかえる前に、動き出している。
埼スタの開業から5年後の2006年には駅南側にイオンモール浦和美園が開業し、2013年には西口駅前広場が整備された。このあたりから、田畑や更地だった土地に、巨大マンションや戸建て分譲住宅が建ちはじめた。
5月初旬、浦和美園に出現した戸建て分譲住宅を報道陣に公開する機会があった。中央住宅(ポラスグループ)が手がける全87棟の「ボゥヴィラージュ浦和美園イストワール87」だ。
これが「1期、2期、3期、4期とわけて売りに出しているが、抽選もあり、売れている」というから驚く。
4期の販売価格帯は、3980万円~5780万円。
そのモデルハウスのビジュアルやスペックは、公式サイト(http://www.polus.jp/kodate-ms/misono40/modelhouse.html)でみてもらうとして、「なぜ浦和美園か」だ。
浦和美園をめざすファミリー層のリアル
現地スタッフに聞くと、こうした浦和美園の戸建て分譲住宅に興味・関心がある層は、「子育て中のファミリー層」と。「かつて学生時代などは、都内で暮らし、新宿や渋谷、池袋といったにぎやかな街で過ごしてきた人たち」ともいう。
この販売価格帯に対して、収入も「高所得者層でもなく、ごくごく一般的な層」。で、なぜ浦和美園か。都内の私鉄沿線ではなく、なぜ埼スタ線の最北端の地を選ぶか。
「都内に職場を持ち、子どもを抱えるファミリーは、パパは始発電車でゆっくり座って通勤したい。ママは新しい街で子どもをゆっくり育てたい。新たな出会いがほしいという人が多い。そんなパパ・ママたちが浦和美園をめざす」という。
そして「もちろん、浦和レッズの大ファンという人たちも、見学にやってくる」とも。東京2020オリンピック・パラリンピックのサッカー開催地としても決まった埼玉スタジアム2002。
「埼スタは、サッカーだけなく、芝生や緑の広場がいっぱいあって、この浦和美園エリアのセントラルパークのようなところ。この物件から埼玉スタジアムまでは、歩いて行けるから、自分の庭のようにも思える」(現地スタッフ)
現地へクルマで向かったこの日。東北道 浦和ICが近いと感じた。首都高や外環道、圏央道ともすぐにつながっている。
また埼玉高速鉄道は、「新たな子育て世代を沿線地域に誘導し、沿線地域の開発を促進することで、今後の人口減少・超高齢社会における経営自立化を確実なものとするため、通学定期旅客運賃の値下げを実施する」と発表し、2割以上も通学定期旅客運賃を値下げする。
なにか、いろいろと動き出した、浦和美園。これは……くるかも。
(Photos by GazinAirlines)