酢豚のパイナップル、ポテトサラダのリンゴ、ピラフの干しブドウ……これら“おかず+果物”の組み合わせの賛否については議論が尽きないところだが、彼ら果物とて無意味におかずの邪魔をしているわけではない。
酢豚のパイナップル
パイナップルにはブロメリンという酵素があり、油っこい酢豚のたんぱく質を分解する役割がある。パイナップルを食べると舌に刺激を感じたことがある人もいるだろう。これはブロメリンがたんぱく質を分解する酵素の働きによって舌や口内の粘膜を刺激するからだという。
また、ブロメリンには肉をやわらかくする効果があり、固い豚肉をやわらかくするために使用している面もあるだろう。ただし、ブロメリンは熱に弱く、60度以上の熱を加えると効果が失われると言われている。酢豚で加熱されたブロメリンにどれほどの効果があるかは定かではない。ただ、温度を調整するなどすれば充分効果が期待できるだろう。
ポテトサラダのリンゴ
こちらの必要性については不明だが、リンゴ入りポテトサラダを作る人のほとんどが「小さい頃からポテトサラダといえばリンゴが入っていた」と証言することから鑑みて、“家庭の味だから”ということに落ちつくのだろう。このポテトサラダに入ったリンゴ(あるいはミカンなど)でケンカをしたという夫婦やカップルも少なくない。それぞれに家庭の味があって当然なので、譲り合いの精神を大切にしたいものだ。
また、リンゴにはカリウムや、ペクチン、セルロースといった食物繊維が豊富で、消化を助け血行を良くする働きがあるので、どうしてもイヤというわけではないなら、リンゴ入りを食べても良いのではないだろうか。
ピラフの干しブドウ
干しブドウにも酵素が含まれていてパイナップルと同じような効果が期待できる、カレーピラフの場合は甘さと辛さのバランスが取れて良い、など肯定的な意見をいくつか聞いたが、酢豚ほどの油っこさもなく肉をやわらかくする必要もないピラフに干しブドウが入っている決定的な理由は聞けなかった。
しかし、干しブドウには老化を防ぐ体内物質サートゥインスを活性化させるレスベラトロールが含まれている。老化予防のためにピラフには干しブドウを入れたまま食べることをオススメしたい。
というわけで、酢豚のパイナップルもポテトサラダのリンゴもピラフの干しブドウも必要不可欠というわけではないが、食べて損をすることもない。否定派の方々は、それらを食べるとアイデンティティが崩壊する!――というわけでもないのなら、健康のためにも許容してみてはどうだろうか。
画像:足成より引用
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