2015年4月1日に「四日市あすなろう鉄道内部・八王子線」に運営形態
が変わる近鉄内部・八王子線。
そのラストウィークの3月29日(日)に乗り歩いてみました。
近鉄どころか全国でも珍しい特殊軌道(762ミリ・黒部峡谷鉄道や三岐鉄道
北勢線【元近鉄北勢線】だけ)の路線で四日市市内を走ります。近鉄四日市を
起点に内部線は近鉄四日市-内部、八王子線は内部線の日永-西日野を結んで
おります。八王子線は当初、西日野の先の八王子まで路線がありましたが、水
害での廃止となり現在の西日野が終点となっております。道路事情は国道1号
線や道路が整備されておりますが、交通集中による渋滞が頻繁にあります。
その中、近鉄の経営上でも内部・八王子線も廃止の検討もされましたが、沿線
住民(自治会・沿線にある高校)をはじめ、「NPO四日市の交通と街づくりを考える会(YTT)」
などが働きを掛けて近鉄・四日市市の出資による新会社を設立をした上での
再スタートとなりました。
近鉄四日市駅で発車を待つ電車。
なお、内部・八王子線の電車は夏場に「冷房」はなく、扇風機を回した上で窓
全開にして走っております。
大手私鉄でも冷房のない電車と言うのも珍しくなってきました。夏場の四日市
は軽く30度超えなんかは日常です。
車内はロングシートもありますが、路線バスみたいに1人掛けシートもあります。
ロングシートだと、向かいにいる人の膝が当たるかどうかと言う狭さです。15年
夏に登場する新車(中間車のみ組み替える)では1人掛けシートを配置して通路幅
を確保するそうです。屋根の高さが高い中間車の中には50年前後頑張る車両も居
るのでレトロ感が分かります。
3/31までは「1dayフリーきっぷ」が500円で販売されております。
この切符は協議会の場で意見が出て発売されたとの事です。内部線内の片道運賃が
230円なので【四日市-内部-八王子-四日市】で乗ると690円するので大変
お得な切符です。新会社では3/29現在、同様の切符発売については「未定」と
の事です。全国からの訪問者の中にはコレを使う方が大変多かったです。
内部駅の先端。少し前に行き止まりが手前に追加されて4月以降に何かしらの整備
がされるのでしょうか?
内部駅の側線、時々入換作業などをやっています。基本は3両編成ですが、学校の
長期休業期間には2両で運転される事もありその際にはこの側線を使って組替えも
実施されます。
内部駅のエントランス。券売機1台と窓口がありますが、券売機では普通乗車券を
販売しております。窓口では硬券入場券などを販売しておりました。混雑していな
い時には手書きの補充券での乗車券発売を実施しております。
(入換作業・諸事情で販売できない事もあります。)
内部線の要、「内部車庫」。基本的にココで電車のメンテナンスを行っておりますが、
重要な検査がある際にはトラックに部品を積み込み市内にある塩浜で整備が実施され
ます。三重の商工業都市「四日市」を走る小さな電車、運賃は独自の運賃が設定され
て割高にはなりますが、4月以降も近鉄時代のダイヤを維持して走り続けます。