残業しないサラリーマンになるための考え方

  by 増田不三雄  Tags :  

サラリーマンの手帳は、いつも予定でいっぱいです。人員削減のせいでひとりひとりの業務量は増え、残業時間はどんどん長引いています。しかし、会社員生活は、おおよそ40年~50年の長きに渡る戦い。毎日夜遅くまで残業していては、いつか疲弊してしまいます。今回は、戦場のように忙しい職場であっても、なるべくストレスフリーで残業しないサラリーマンになるための考え方をご紹介しましょう。

 

■残業をしないための基本的な考え方

例えば、あなたが忙しく仕事をしているところに、さらに上司からかなりの量の仕事をお願いされたとします。そんな時、あなたはどう考えますか?

「大変だけど、深夜まで残業すればなんとか終わる」

なんて考えていては、残業体質からは抜けだせませんよー。

「かなりの業務量だけど、残業せずに済む方法はないものか」

と発想を変えましょう。つまり、業務時間を長くして問題を解決するのではなく、業務時間を工夫することで短くできないか、考えを巡らせるのです。

 

■3分、時間を取る

ひとつひとつの業務にとりかかるとき、いきなり始めるのではなく、まずは3分間じっと待ってください。

「このタスクを、もっと効率的にできないものか」

とあれこれ検討するためです。実は、普段ルーチンで行なっている業務であるほど、無駄な作業に気づけずに、余計な時間や労力をかけている場合が多いのです。

3分の投資で、その作業の10分を節約できたら? ルーチンであればあるほど、作業の効率化には意味があります。

 

■前例を探す

これからとりかかる業務が、あなたが「はじめて」行うものだった場合、

「よーし、気合入れて終わらせるぞ!」

といきなり真っ白なワードファイルやエクセルファイルを開いてはいけません。

まずは自分に問いかけてください。

「この業務には前例があるのではないか? その前例をコピー・改変するだけで事足りないか?」

まともに1から作っていては、いくら時間があっても足りません。先人の知恵を借りるのです。

 

■今日しなくていいことは、先延ばしする

今日のタスクリストをざっと見渡して、「明日でもいいことは明日に回す」作業をしましょう。

コツは、重要度ではなく緊急度で判断すること。

「緊急ではないけど、長い目で見れば重要な仕事」は、今日やる必要はありませんから、業務に余裕があるときにすればよいのです。

 

■試しに、削ってみる

「この作業、ルーチンでずっとやってるけど、本当に必要なのかな?」

「この会議、毎週やってるけど、出席する意味あるのかな…」

「この数値、取得に手間がかかるんだけど、あんまり役に立ってないよなあ」

そんなグレーゾーンにあるタスクの、本当の重要性を試す裏技があります。

それは、計画的に「すっぽかす」ことです。

あえてやらない、出席しない、記載しないこと。

誰も困らなければそのまま継続してやらなければいいし、指摘されたら「すみません、忘れてました」とすぐにやればいいだけです。

 

■単純作業は、自動化ソフトに任せる

何十、何百ものデータをひたすらコピー・ペーストするような「単純作業」は、時間がかかる上に肩も凝ってしまいますよね。

そんな時は、PC上の一定の作業を勝手に繰り返してくれる「自動化ソフト」を導入してはいかがでしょう?

私がおすすめする「UWSC」(http://www.uwsc.info/)は、エクセルのマクロような専門知識がなくても、マウス、キーボードの動きをそのまま完全コピーするので簡単です。

一度使ったら、手放せなくなりますよ。

 

■頼まれてもいないことをしない

「上司から言われたことをやっているだけでは駄目だ。自らすすんで、言われた以上のことをやらなければ」

と、頼まれてもいないデータを調べたり、資料の細かなレイアウトにこだわったり……。その行為は本当に必要な行為ですか?  頼まれ仕事は、指示されたこと以上のことをするのはNGです。

ただ、言われたことだけをやるのが不安な場合は、

「とりあえず言われたことだけやりましたが、さらに◯◯することもできます。どうしますか?」

と提案することにしましょう。これなら前向きさをアピールしつつ、無駄な作業を極力減らすことができますよね。

 

前例をコピーしたり、先延ばしにしたり、指示されたことだけをやったり……。この「残業しないための考え方」を見て、あまり感心しない方もおられると思います。しかし、ちょっと考えてみてください。あなたの残業行為は、ただの上司へのアピールや自己満足が生み出しているものではありませんか?少しでも早く帰り、ゆっくりと体を休めることが明日への活力を生むのです。

残業が常態化しているそこのあなた。「業務量が多すぎるからだよ」と嘆いてばかりでなく、上記の考え方を参考に、少しずつ業務時間短縮を目指してみてはいかがでしょう?

 

画像は「足成」(http://www.ashinari.com/)より引用

サラリーマンとして働きながら、職場のトレンドや問題を追いかけています。

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