空中に長時間滞空しつつ、航空機が離発着する母艦としての機能を果たす兵器「飛行空母」。これまで数多くの漫画・アニメ・ゲームなどに登場するも実現は難しく、所詮はロマンにすぎなかったこの超兵器を、米国防高等研究計画局(DARPA)は本気で作ろうとしているらしい。
11月9日、DARPAは「作戦行動につくにあたってリスクの高い有人機に変わり、複数の小型無人機――安価でリスクは低いが行動範囲が狭い――の発進・回収が可能な『飛行空母』を今後4年以内を目処に実証試験するためのアイデアを募集する」とするリリースを発表した。
ただし今回の募集要項では、B-52やC-130のような既存の大型航空機を最小限の改造で済ませた機体を母機にすることを想定している。「飛行空母」と聞いて、よくアニメに登場するような重武装・重装甲の“空中要塞”を思い浮かべた空想好きな男の子は少しガッカリしてしまったかも?
実はアメリカ軍は1930年代に(広義の)「飛行空母」を運用していたことがある。全長240mにも達する巨大飛行船『アクロン』と『メイコン』は、小型複葉機5機を収納するスペースを持ち、クレーンで吊り下げることで離着艦させることが可能であった。しかし、当時は飛行船自体の完成度が低かったため、2機とも就役からわずか2年ほどで事故により失われている。それから80年以上が経過した現代にDARPAがどのような「飛行空母」を送り出してくるのか、非常に興味のあるところだ。
参考動画:USS Macon & Sparrowhawks(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=IWoEQRl8dCs
画像とソース引用:DARPAプレスリリースより
http://www.darpa.mil/NewsEvents/Releases/2014/11/09.aspx [リンク]