11月10日、福岡空港発・関西国際空港行きのジェットスター556便が、機体の前輪が出ない異常信号が表示されたため、関西国際空港に緊急着陸する事故(?)が発生していたようだ。
このニュース、なぜかマスメディアはどこも報じていないのだが、当該機にたまたま乗り合わせた乗客が、空港に緊急着陸するまでを撮影した貴重な映像が『YouTube』にアップされている。
動画:ジェットスター緊急着陸 福岡発関空行き(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=7dZwF4KGhzg
客室乗務員から「当機は緊急着陸する見込みとなりました。落ち着いて乗務員の指示に従ってください。衝撃は一度とは限りません」などと異常事態を知らせるアナウンスが流れる。普段のマニュアルにはない説明をしているせいか、客室乗務員の言葉は少し乱れており、緊迫した空気が伝わってくる。しかし、乗客の間からは悲鳴や悲嘆の声が上がることもなく、機内は落ち着いていたようだ。
着陸直前になると機長から「前輪のタイヤセンサーの異常のため、念のため準備をして着陸します」と説明があったのに続き、客室乗務員が「安全姿勢!」「前に屈んで! 頭を下げて!」と大声で連呼。これは怖い! そんな緊迫した状況が4分ほど続いた後、軽い衝撃があって機体は無事着陸。乗客たちからは拍手が起こり、安堵の声が漏れる。
緊急時に女性客室乗務員が大声で叫ぶように指示をするのは、乗客に敢えて緊張してもらうためらしいのだが、まさか『スチュワーデス物語』とかのフィクションの中でしか見たことのなかったあの場面が機内で実際に行われているところを見られるとは……。ともあれ、今回は信号異常だったということで何事もなくてよかった、よかった。
飛行中の航空機が発する電波を基に飛行状況を表示する『Flightradar24』で、当日のGK556便の航跡を確認してみると、徳島上空で異常に気付いたのか、上空を何回か旋回。その後関空に向かい、一度着陸復行(ゴーアラウンド)している。おそらく前輪の様子を地上から確認してもらうためだろう。そして、前輪が出ていることが確認されたので着陸を決行したようだ。結局、21時ちょうど発、22時5分着予定のところ、1時間ほど遅れて関空に着陸した。
画像:ジェットスター・ジャパンプレスリリースおよび『Flightradar24』より引用