昆明の「3・01」暴力テロ事件に対して、中国現代国際関係研究院の対テロ専門家である李偉は2日、組織形態に従う点や、犯行に用いた道具、残忍な手法と群集を標的にしたことから見て、典型的なテロリズム活動であると表明した。彼はまた、海外メディアがテロリズムに対してタブルスタンダードを採っていることに疑問を呈し、「とりわけアメリカのメディアは、昆明を襲ったテロリストを庇護しており、テロリストを通して自分たちの意見を伝えている」と述べた。
雲南省の昆明駅広場で1日夜に発生した殺傷事件は、顔を隠して黒服を着用した10数名の暴徒が、刃物を持ち駅に押し入って人々を切りつけた。33人(公式統計では29名)が死亡、140人あまりの罪のない民衆が負傷した。警察は現場で4人の暴徒を射殺し、1人の女性容疑者を捕らえた。
李偉は2日《央視》のインタビューに応え、「ごく少数のテロリストが、民衆の鮮血を用いて彼らの分裂、独立、建国の主張を宣伝した。この特徴は、国際テロリズム勢力の活動手段と一致している」と述べた。
李偉は、テロリスト組織はグループと服装が統一されており、鋭利で長い刃物を使い短時間で大量の人々を死傷させたことは、海外の爆弾による大量殺傷テロにもひけをとらないと指摘した。「彼らによる無辜の民衆を残害する手法は、厳格な訓練を経たものであり、長期的に準備したものである。」
彼は、昆明を選んで襲撃を行ったことには一定のランダム性があるとにらんでおり、「テロ活動には一定の内在規律があり、またランダム性、不確定性がある」と考えている。
李偉はまた、海外メディアのテロリズムに対するダブルスタンダードに警戒すると述べた。「今回、西側のとあるメディア、とりわけアメリカのメディアは、昆明を襲撃したテロリストを庇い、テロリストを自分たちの意見を伝える“メガホン”にしている。彼らは対テロ問題におけるダブルスタンダードではなく、すでにテロリストと同じ側に立っているのだ。」
聞くところによれば、アメリカケーブルニュースネットワーク(CNN)は昆明「3・01」暴力テロ事件を報道する際、「terrorists」に引用符を加えたという。引用符には疑問を表すだけではなく、引用して叙述する意が含まれており、公式見解を引用して叙述するほかない状況下で、引用符を加えるのは西側ニュース機構の慣例だ。
そのほか、多くの西側メディアではまだ「テロリスト」という言葉は使用せず、「武装勢力」(militants)、襲撃者(assailants)という言葉を使っていた。これに対し中国の公式メディアは、歪んだ報道であり、「良識と最低のラインはどこにあるのか?」と激しく非難した。
※写真はAP通信より、中国・昆明駅の襲撃事件後、警戒にあたる警察官。