古典作品?
虹ふたつが雨あがった富士に(にじふたつがあめあがつたふじに)
上から読んでも下から読んでものこちらの回文。皆さんの中にも「この回文、見たことある!」とおっしゃるかたがいるのではないでしょうか。とても有名な古典回文、と思われるかもしれませんが、いえいえ。こちらの作品の作者は招福万来。さん。私の回文仲間でまだ50代の男性です。
こんにちは。回文川柳の人こと二ノ宮よう子です。
言葉をさかさにするという、ある程度の偶発性を要する表現方法である回文。その偶発性ゆえ著作物であるという認識が、社会へなかなか浸透していかないという実情があります。
ですが現に、最近ネットなどで見かける回文の多くには作者がいます。言葉の偶発性を意図的に引き出し自らの作品として形にする、それが私たち回文師なのです……と言うとなにやら小っ恥ずかしいですね(照)。
今日は皆さんに“回文師”というものの存在を知っていただくべく、私の友人回文師らの作品から、いつの間にやら“詠み人知れず”になってしまった作品や、これからそうなるだろう秀逸な作品をいくつかご紹介しちゃいますよ。
阿呆兄弟さんの作品
素でキス出来んほど本気で好きです。(すできすできんほどほんきですきです)
いがときしんさんの作品
私リカ♪ お電話買わんでお借りしたわ。(わたしりかおでんわかわんでおかりしたわ)
ただのすけさんの作品
鵜の飼い慣らし方など、どなたか知らないかのう?(うのかいならしかたなどどなたかしらないかのう)
さとーさんの作品
妻怒り 拗ねてふて寝す 理解待つ(つまいかり すねてふてねす りかいまつ)
井森宙美さんの作品
3歳児の代打の爺さんより4歳児の代打の爺さんさ。(さんさいじのだいだのじいさんよりよんさいじのだいだのじいさんさ)
二ノ宮よう子の作品
ダメ男子 モテ期が来ても 死んだ目だ(だめだんし もてきがきても しんだめだ)
赤川広幸さんの作品
住まい入れば、ロフト、冷凍庫付け、キッチン、ベンチ付き、結構トイレと風呂場、霊はいます。(すまいはいればろふとれいとうこつけきつちんべんちつきけつこうといれとふろばれいはいます)
いかがでしたか? “秀逸な作品”と言いつつ自分の作品もしらっと入れてしまいましたけれども(照)。
さてなんと、そんな回文師たちがぞろぞろと登場し、回文で華麗に大喜利バトルまでしちゃう世紀のイベントが開催されます。その名も、
『回文キング・大喜利バトル! ざわめきの場とことん☆飛ぶ座布団とコトバの決め技!!』
→ http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_130828204355_1.htm
この記事を読んで“回文師”に興味を持ってくださったかた、10月26日はぜひ東京カルチャーカルチャーへ!