ゴールデンウイークに 大原美術館に行ってみよう!

  by あおぞら  Tags :  

 日本の美術館で訪れたい美術館は大原美術館である。何度か行ったことはあるが、機会があればまた行ってみたいと思う。この美術館はクラレやクラボウを創業した大原孫三郎が、西洋美術、近代美術を展示する日本最初の美術館として創設した。

 パトロンとして援助しヨーロッパに留学させた同郷の画家、児島虎次郎に絵の買い付けを依頼し、数多くの名画を大原孫三郎は手にすることになった。大原美術館が所蔵する名画のバラエティーは秀逸である。ニューヨークの近代美術館で、ゴーギャン特別展が開催された時、そこで『かぐわしき大地』を見た、目がクギ付けになった。倉敷の大原美術館から丁寧に梱包され、日通だろうか、或いは特別な総合物流会社がニューヨークまで運んだのだろう。私が真剣に向かい合っているので、他の人もその絵に集まってきたほどだった。

 モネの『睡蓮』も美しい。近代美術館にもモネの巨大作品が常設されているが大味で、絵としては大原美術館の方が圧倒的に美しい。大原美術館の最も”推し”作品は、エル・グレコの『受胎告知』だろう。色鮮やかで構図も素晴らしい。

 何かの文献で読み、再度、検索しようと思ったのだが、残念ながら確認は取れなかったが、記憶の限りではルノアールの『泉による女』は、児島虎次郎がルノワールに発注し、ルノワールはその裸婦の絵を描く時、「日本は検閲が厳しいだろうから」と座る女の下半身に布をまとわしたらしい。こういう裏話は実に興味深い。

 有名過ぎるピカソ、マティス、ドガ、セザンヌ、ゴーギャン、シャガール、ロートレックや、有名過ぎないがモディリアーニ、デ・キリコと幅広い。それに創設者の大原孫三郎や、買い付けた児島虎次郎亡き後、購入した比較的近代のポロック、ジャスパー・ジョーンズのアメリカの画家の作品も加え、日本人画家の作品も多く所蔵し、世界的に有名な横尾忠則作品もある。

 まるで小さなメトロポリタン美術館のように、この美術館には西洋美術、古代エジプト美術・中近東美術、中国美術などの作品が展示されており1930年に開館した。

 大原美術館は倉敷市の美観地区景観条例に基づき定められた場所にあり、まさにThe観光地で映画のセットのような町並みである。大原美術館創設者の大原孫三郎が創業した倉敷紡績の旧工場のアイビースクエアーも赤レンガの外壁を覆う蔦が美しい。こちらはホテルとなり、美観地区の日本的な風景と異なりイギリスのような雰囲気がある。

大原美術館
〒710-8575 岡山県倉敷市中央1-1-15

《3月~11月》
9:00~17:00(最終入館16:30)
児島虎次郎記念館は10:00~15:00
※時期によって変動いたします

一般2,000円
高校・中学・小学生(18歳未満の方)500円
※小学生未満は無料です

 この入館料の2000円は安いと思う。小・中・高校生はワンコインの500円。ゴールデンウイークに予定が決まっていない方には、大原美術館に出かけるプランもいいと思う。美術館のみならず、倉敷の美観地区は訪れていない方には一見の価値はあるのだ。

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