
ニューヨークの市バスはコロナ禍の際、無料で乗車が出来た。市としてはなるべく外出は控えるようにと知らせておきながら、なぜか市バスを無料で運行するのが不思議だったけど、今まで料金がかかったものが無料になるというのはありがたいことで、買い物に行く際に大変便利だったことを覚えている。
当時、市バス内には無料配布のマスクが置かれ、必要であれば乗客はひとつもらえるわけだが、まぁ、お国柄というか中国人とおぼしき人たちは、なぜか躊躇なくガバっとその無料マスクを鷲づかみしてバッグに入れ込む。どうもイヤな光景を見せられるのは困ったが、もうひとつ困ったことは、ホームレスの方々がバンバン、その”無料市バス”に乗りこむのだ。
マスクをつけていてもホームレスの方々の臭いがキツイ、でも、我慢できる。しかし、主張の激しいアメリカ人は時に、ホームレスさん達に露骨にイヤな視線を送る。それだけならまだいいが文句をいう人もいて、狭いバスの空間で空気がとても悪くなる。殴り合いでも始まりそうなこともあってヒヤヒヤした。
そういう時にバスの運転士は注意を促せばいいのに、何も言わない運転士が殆どで、ハッキリ言ってホームレスの人達には係わりを持ちたくないのだなぁ…とコロナ禍時の、”無料市バス”期に思った。
さて、今現在は当然市バスに乗るのに乗車料金はかかる。それでも、無賃乗車する人が多いのである。圧倒的なのはホームレスの諸氏で、もう堂々とバスに乗り込み料金を支払わず、我が物顔で後方の席に座る。ホームレスさん達は後方のお席がお好みのようだ。バスの運転士は我関せずで、無賃乗車を認めている。
コレ、問題なんです! こういうのを認めると治安が悪くなるんです!ただでさえもニューヨークは秩序なき街なのに、これ以上乱してどうする? しかも、無賃乗車はホームレスに限ったことはなく、一般市民も無賃乗車をするのだ。この一般市民はまさか堂々と運転士横の乗降口から乗り入れることは出来ないので、中程と後方の本来であれば降車口から乗り込んで、しら~っと席に座る。
ニューヨークで富裕層が住むとされているアッパーイーストの住人はほぼ白人中心だ。私はこの地区を通る市バスをよく利用するが、私が後部座席に座ると、必ずこの無賃乗車の白人たちが、降車専用の降り口から入る姿を目にして嫌な気分になる。私のような感情を抱く人も多く、あからさまに白人無賃乗車の”軽犯罪者”を見やる人たちもいる、実はそういう人は頼もしく思うけど、しかし、軽犯罪者たちは結構、堂々と犯罪をあそばす。
バスの無賃乗車はまだマシな方で、地下鉄に関してはこれは言い方は悪いが圧倒的に黒人が多く、改札口と言うかそこを軽々と突破して無賃乗車する。こちらはその姿を見ているとちょっとドキドキする。これがまかり通るとニューヨークはまた以前の犯罪都市に逆戻りだ。こういう小さなことを取り締まらないとニューヨークの治安は守られない。
無賃乗車には罰則が当然ある。ニューヨークの市バスや地下鉄などを運営する独立公益会社であるメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティーでは、以下の規則が2025年1月1日から実施されている。
初回違反:警告のみ、罰金はかかりません。
2回目違反:罰金100ドル、罰金を期限内に全額支払った場合、50ドルの※OMNYクレジット(Fair Fares NYCに登録している場合は25ドル)が付与されます。
3回目以上:罰金150ドル、または刑事召喚状が発行されます。
※スマホで決済のもの
しかし、規則が実施される2025年1月1日から『3回目以上』の無賃乗車は数えきれない程いても、おそらく逮捕者は出ていないのではないかと思えてしまう。
市バスの行き先を知らす前方上部の電光掲示板には『FARE REQUIERD-運賃必要』と行き先が交互に表されるけど、そんなのでいいのかなぁ?