川崎重工の子会社 川崎車両 ニューヨークで大活躍中

  by あおぞら  Tags :  

Train approaching elevated subway station in Queens, New York. Financial buildings and New York skyline are seen in the background, on the left below can be seen a busy street full of cars at rush hour, cloudy, dramatic sky, USA.

 日本の三大重工業のメーカーは『三菱重工業』『川崎重工業』『IHI』である。ニューヨークと一番縁が深いのは川崎重工業ではないかと思う。川崎重工業の子会社であり、川崎車両は鉄道車両メーカーだ。アメリカには2拠点あり、1986年ニューヨークの郊外ヨンカースに工場を開設、ネブラスカ州リンカーンの工場はアメリカ人にコアなファンの多い人気のバイク製造工場だったが、その工場でも鉄道車両も並行して作り始めた。

 ニューヨークには地下鉄、グランド・セントラル駅から郊外列車ともいえるメトロノース鉄道、ロングアイランドとペンステーションを繋ぐロングアイランド鉄道、ニュージャージーとニューヨークを結ぶパストレインやニュージャージートランジットと言う地域型の地下鉄を含む鉄道があるが、ニュージャージートランジットを除いては、川崎車両の列車がすべて使われている。ただ、全路線ではなく各鉄道に川崎車両の列車が使われており、それぞれの鉄道は競合する他社の車両も搬入している。それにしても凄い活躍である。

 写真の地下鉄は7番線で、この路線はクイーンズのフラッシングからニューヨークの路線でクイーンズを走行中は地下鉄とはならず高架鉄道である。それだけ見晴らしもよくクイーンズ側からマンハッタンに近づく時の車窓の風景が映画の世界のように美しい。この7番線は川崎車両の列車である。この路線にはニューヨークメッツの本拠地であるシティー・フィールドがあるので、野球シーズンには多くの観戦客を乗せて活気づく。

 ニュージャージー州に住むアメリカ人宅に遊びに行くことがあり、パストレインを利用した。その列車の商標登録の銘板プレートに『KAWASAKI』の文字を見た時、驚きと誇らしさで一杯になった、日本は頑張っていると。川崎車両はワシントンDCの地下鉄にも搬入されている。

 日本の車両会社の嬉しいニュースを昨年知ったのは、ペンシルバニア州の南東ペンシルバニア交通局の車両200両を日立車両が受注したとのことだ。日立車両も川崎車両同様良い仕事をするだろう。アメリカに多くの雇用を生み、町も潤うことになるだろう。

 アメリカで活躍日本企業で、アメリカに根付く産業は本当に逞しい。アメリカ人の生活に必要な鉄道車両を日本企業が請け負うのは、まさに信頼と実績の結果だろう。

 余談だが、アメリカの車両には日本のような布地の椅子を未だ見たことはない。ニューヨークの地下鉄はプラスティック製で、郊外に住み通勤列車として使うメトロノース鉄道はビニール製のシートである。あの、布地をシートにするには失礼ながら無作法なアメリカ人には似合わないからだろう。先ず、すぐ汚してしまいだろうし、子どもを持つ親も平気で椅子の上に靴のまま足を乗せても注意もしない人もいる位だから、言っちゃ悪いが民度は低いのである。

 更なる余談として、車両会社は本体のみを製造し、車両に必要なエンジン、ドア、電光表示板、トイレ、列車のドア近くにある掴む棒のスタンションポール他、車両本体以外の備品は全て外注なので、車両作りは多くの企業がタイアップする一大事業である。

 ニューヨークにお出かけで、鉄道使用の際は、列車の商標登録の銘板プレートに『KAWASAKI』の文字が見えるかもしれません。もし、見つけたらチョット嬉しくなるかもですよ!

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