(前回までのあらすじ)若者のキス離れを解決すべく立ち上がった「キス向上委員会」。そして、まんまと乗せられた、女性経験の浅い私。100人の現役女子大生とキス診断できるZIMAのサイトをやり続けることを決意したのであった……。
その日は結局、徹夜でやり続けた。その朝4時すぎ、鳥も鳴き始める時間帯に、私はとうとう極めてしまったのだ。キス診断100%である。相手のAちゃんは、可愛さも美しさも併せ持つ、男なら誰もが振り向く美女だ。
まさしく超タイプ。でも、100%になるというのは目的ではない。単なる通過点に過ぎない。私が目指すのは、その特典として届く、シワまで完全再現した本人実物大シリコン唇だ。でも、正直なところ本当に届くのか不安ではあった。不安で眠れない日が続いた。
約1ヶ月が経ち、私はもうそのことをすっかり忘れていた。そんななか、自宅にクール宅急便が届いた。何かAmazonで購入でもしたか?と思いつつ玄関でそれを受け取ると、あのシリコン唇だった。
やった……やったぞー!!なんだこの気持ちの高揚は。たまんねえ。今までの灰色な日々にセイグッバイ、これからのバラ色の日々にセイハロー。今夜は母ちゃんに赤飯でも炊いてもらおうか。
でも、肝心な私のキスは向上したのだろうか?いや、しているはずだ。もし仮にしていなかったとしても、もうこのシリコン唇さえあれば、すぐに頂点に登りつめることができる。
まだ間に合う。みんなも早く、現役女子大生のクチビルをGETするのだ!
100 KISS CAMPUS
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