ひたすら繰り返すこと。この極めてシンプルな作業がいかに役に立つことか！大人になった今、それを知ることとなった。何をやるにも、やはりこれに勝ることはないだろう。
必要に迫られ、中国語をマスターすることを決心したのは三ｹ月前。発音練習用に特化した初級テキストで、耳及び口慣らしを開始。全くの初めてなので、付属のＣＤを聴きながら、ただひたすら発音。身近な単語で発音の基本を、舌と口に覚え込ませていく。とにかくＣＤにならって真似をしていくのみ。途中、舌の位置や口の作り方がわからなくなったら、何度でも確認。進んでいるようで、ページ数はなかなか増えていかない。唇は疲れるし、口の中も乾いてくる。でも繰り返し練習する以外、方法はない。そう信じて、行きつ戻りつ。何とか一通りテキストを終えたら、最初から繰り返す。終わったら、飽きもせずにまた繰り返し。一体、幾度繰り返したろうか？
ハッとしたのは練習を初めて一ｹ月半ほどたったころ。単語が自然に口をついて出てきた。発音も正確だ。意味はなかなか思い出せないが、今はそれでＯＫ。きちんとした発音をマスターすることが目標なのだから。知らず知らずに正確な発音ができるようになったのだが、これも繰り返し練習してきたおかげだといえよう。
何かを身に付けようとするき、あれもこれもと手を付けたくなってしまう気持ちはわかる。その方が飽きそうにないから。いろんな角度からやってみた方が、速く身に付くという気もするだろうし。でも、進歩なんて目に見えないものだし。ひとつがきちんとできなければ、他のことも、そもそもできないのではないだろうか？
中国語のマスターまでの道のりは、まだまだ遠いが。ひとつのことを繰り返しやることの強みがわかった今、ライバルは自身の飽きっぽい性格だけ。進んでないように見えて、着実に進歩していることに再び八ｯっと気付く日がやってくることを楽しみに、ひたすらリピートの日々である。
