小麦粉から米粉さらに豆粉に進化したパンはどうなのか?食感・風味・栄養学でレビュー!

  by 古川 智規  Tags :  

アレルギー対応だけではなく、最近では意識の高い方が気をつかうのが食べ物だ。パンや麵類の材料と言えば小麦だが、原材料を米に変え、さらに豆を使用したものまで出現した。
ZENB JAPAN(ゼンブ ジャパン)は、小麦粉でも米粉でもない「第3のパン」として、まるごと豆粉を使った「ZENB ブレッド」を販売している。フレーバーは「くるみ&レーズン」「カカオ」「3種の雑穀」だ。原材料には黄えんどう豆使用している。実際に食べてみたのでレビューする。

ダイエットや糖質制限、カラダづくりのために主食を控える人がますます増えている中で、誰もがおいしく我慢せずに食べられる主食を届けたいという想いから「ZENB ブレッド」の開発はスタートした。おいしく、カラダにも地球にもやさしいスーパーフード・黄えんどう豆を使ったパンづくりは非常に難しく、当初はパサパサした食感や豆の臭みでとてもパンとは呼べない試作品しか作ることができなかったという。

写真はカカオのものだが、見た目は小麦のパンと同じように見える。米粉のパンは密度が高く重量感のあるパンだが、ふわふわ感はなかなかでないので、パサパサとした食感であることが多いイメージがある。
プレーンで食べた本品の食感は小麦のパンとそん色なく、若干の豆独特の風味は残るものの特に不満が残る味ではない。大人3名で試食した結果は「3種の雑穀」が最も食べやすく普通のパンと変わりないという結果だった。

若干偏食気味の子供に与えてみると、飛びついておいしいとパクパク食べていたので、大人に限らず好き嫌いの多い子供が食べられるのであれば、よい食材になり得るだろう。
さて、食感や味はいいとして、わざわざ特別なパンを購入するメリットはあるのかどうかという問題がある。これは専門家でないとわからないので、本品を試食してもらったうえで栄養士の本間直加さんに聞いてみた。要旨次の通り語ってくれた。

 本品のグルテンフリーとは、グルテンを摂取しない食事や食品のことです。グルテンフリーの食材は元々、海外に多いグルテンが原因となる疾患(セリアック病)のために作られたものです。
(記者注:セリアック病は小麦等の麦に含まれるグルテンに反応する消化器系の免疫疾患で、日本人は欧米と比較すると罹患者数は少ない病気)
 グルテンとは、小麦に含まれるたんぱく質のグルテニンとグリアジンが水を加えて混ぜることによりできる成分のことで、グルテン含有量の多さを比較すると(強力粉>中力粉>薄力粉)となり、原材料としてパンは強力粉を、麺類は中力粉を、ケーキは薄力粉を使用することが多いようです。この使い分けで、ふわふわな感等の差が生まれます。

 パンや麺料理、スイーツなどをグルテンフリーに置き換えることで、摂取エネルギー(カロリー)を抑えることができますが、健康な人に対するグルテンフリーの影響は実証されていません。一般論としてはセリアック病等の罹患者でなければ、あまりにもグルテンフリーにこだわりすぎると、小麦に含まれるせっかくのビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足し、栄養バランスが偏りやすくなることも考えられます。よってグルテンフリーにとらわれず、様々な食材をバランスよく摂取することが栄養学的には大切です。
 ただし、今回のパンに使用されている黄えんどう豆は、グルテンフリーで不足しやすい栄養素が初めから含まれておりかつ豊富です。また低脂質で高タンパクな食材なので、ダイエット等にも良い選択と言えるでしょう。日本人は大豆以外の豆類をあまり食べない人が多いのですが、従来のパンを代用することで新たな栄養素を摂取することが可能です。

栄養学的にも、単純にグルテンフリーという名だけに飛びついて生じる必要な栄養不足も、本品では原材料の黄えんどう豆により問題なく摂取できるということであれば、特に意識の高い方には注目の美味しく食べられるパンになるのではないだろうか。

※写真はすべて記者撮影

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