土日しか営業しない伝説のお好み焼き屋『きよみ』閉店へ / 昭和32年創業の「大阪の味」が消滅

土日しか営業しない伝説のお好み焼き屋をご存じだろうか。住宅街にポツンとある『きよみ』(大阪府大阪市住吉区上住吉2-3-22)である。

お好み焼きマニアが全国から『きよみ』を訪れる

お好み焼き屋『きよみ』は南海電鉄高野線・住吉東駅から徒歩5分ほどの場所にある。周囲は完全に住宅地で、観光地や商業地の雰囲気は皆無。そのような地だが、地域住民はもちろんのこと、お好み焼きマニアが全国から『きよみ』を訪れる。

そんな『きよみ』が2023年9月30日(土)の営業をもって閉店する。

焼きそば入りのブタモダン焼き

人気はあるが店内は5席しかないため、空席になるのを待つこともある。ビールやサイダーなど、飲み物は自分で冷蔵庫から取り出し、栓抜きで開封。

お好み焼きはブタ(550円)が大人気だが、今回は焼きそば入りのブタモダン焼き(750円)とホルモン炒め(650円)をオーダー。ドリンクは瓶ビール中瓶(550円)が飲みたい気持ちがあったものの仕事があるため我慢しつつ、三ツ矢サイダー(250円)にした。

秩序あるお好み焼きの美

創業者であるおばあちゃんはたまに厨房に出てくるが、基本的にふたりのおばちゃんがお好み焼きを焼いてくれる。かなり手際が良く、そして美しく整えて焼かれていく。

そこにカオスはなく、あるのは秩序あるお好み焼きの美。マスネーズの有無を聞かれるので、好みによりかけてもらうかどうか決める。鰹節の粉末や青海苔は自分で適量をかける。そして完成。

テイストは焼きそばの主張が強めで、生地はふんわりとした仕上がり。食べると生地がどんどん拡散して消えてゆく。

それでいて底部はカリカリで香ばしく焼き上がるので、そのクリスピーな食感を楽しめるのも良き。

2023年で66周年となる『きよみ』

昼間から瓶ビールを飲みつつ、お好み焼きを食べるお客さんたち。おばあちゃんの顔が見たくて訪れる常連さんもいるようだ。2023年で66周年となる『きよみ』。

昭和32年創業の味が消滅するのは悲しいが、いままで数千枚、数万枚のお好み焼きを仕上げ、人々の胃袋を満たしてきたその功績は大きい。

撮影させてくれただけでなく、いろいろと話を聞かせてくれて感謝。ありがとうございました。


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