全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。“回転寿司”チェーンのラーメンは今やもう各社当たり前の人気メニューとなっているが、その中でもやはりひとつ頭が抜けているのが“はま寿司”。現在ではラーメンがサイドメニューの売上の1、2を争っているレベルの人気で、毎度そのクオリティには驚かされている。
はま寿司は日本人の“ダシ文化”を重視しながら、全国の行列店の味をセントラルキッチンで再現するというとんでもないチャレンジを続けている。
今回紹介する一杯は「特製とんこつ醤油ラーメン」。もともと「横浜家系ラーメン」がとんでもないクオリティだったにもかかわらず、同じとんこつの土俵で別の名作を出してきた。正直驚きの美味しさだ。
「コロナ禍もあり、なかなかとんこつの本場・九州に行けなかったのですが、東京や神奈川など関東のとんこつラーメン店に伺う中で、少しカエシの立ったとんこつラーメンの美味しさを再発見したので、醤油の種類にもこだわったとんこつ醤油ラーメンの開発を行いました」(はま寿司・開発担当者)
とにかくスープの完成度に驚く。今の流行りの方向性とも違う、どっしりとした一杯だ。
「同時期に博多とんこつのスープ作りも進めていましたが、とんこつの原料や抽出方法も異なるスープでしたので、博多とんこつとは違う美味しさを表現したいと思って作りました」(同上)
なんとスープは、本場九州ではおなじみの“呼び戻し製法”! 繰り返しつぎ足しながら仕上げていく、九州伝統の豚骨スープの製法だ。セントラルキッチンでどう呼び戻しを実現しているかについては企業秘密だという。正直言ってそこまでやるかと声が出た。
「お店に来て頂くお客様に、おうちでは再現出来ないようなスープを召し上がって頂くということは、このラーメンに限らず常に意識しています。炊き出し感の強いとんこつや豚肉から取った旨味も贅沢に使用したスープなので、美味しいと思って頂けるとありがたいです」(同上)
いやはや、はま寿司のラーメンはどこまで行くのか。まだまだ目が離せない。