日々、さまざまな動画が公開され賑わいを見せるYouTube。
コロナ禍によって従来のYouTuberに加えタレントやミュージシャンが多数参入し、新たなヒットコンテンツを作るのは極めて難しくなっているようだが、そんな中にも関わらず不思議な健闘ぶりを見せている動画シリーズがある。
それはムネ製薬株式会社が関西看護医療大学の監修のもと制作した、浣腸の正しい使用方法を解説するもの。
これまでに公開された「コトブキ浣腸L40の使い方動画」「コトブキ浣腸の使い方動画」はそれぞれ約9万回再生、5万回再生と、大ヒットとまではいかないものの、企業のまじめな商品説明動画としてはなかなかの健闘ぶり。
ふだん浣腸に興味を覚えている人がそんなに多いのだろうか。ムネ製薬の代表取締役社長、西岡一輝さんにお話を聞いた。
ーー今回の動画シリーズを制作された経緯をお聞かせください。
西岡:現在、弊社の市販浣腸のシェアは個数ベース35%と業界トップになるのですが、一般的な知名度が無いのが悩みどころでした。
ここ10年ほど、はなくまゆうさくさんらユニークな作風のイラストレーターやデザイナーの方を起用してPRに力を入れてきたのですが、それがある程度功を奏してきたので、このあたりで一度、真面目に浣腸自体の意義や正しい使い方をうったえるなにかが作れないかと思いました。
ーーこの手の商品解説動画としては珍しく、多くの方に視聴されているようです。需要はどんなところにあったと思われますか?
西岡:制作にあたりYouTubeや各種SNSをチェックしたのですが、アカデミックな視点で浣腸の使用方法を解説した動画はほとんどありませんでした。弊社の動画がこれだけ見られているということは、やはり浣腸について知りたいと思っている方がそれだけ多いのだと思います。また高齢になると腸の機能低下や運動不足により、便秘に悩む方が増える傾向にあります。そういった社会背景も関係しているのではと思います。
ーー浣腸は誰もが知る便秘薬ですが、その割にはあまり使われていないイメージです。
西岡:浣腸と言うとみなさん最後の切り札のようなイメージで、敬遠してしまっている方が多いようです。ですが、浣腸ほど安全で体に負担のない便秘薬ってないんですよ。浣腸は精製水、グリセリンが半々で、防腐剤として僅かにベンザルコニウム塩化物を添加して出来ています。グリセリンが腸壁から水分を吸収し、刺激をあたえることで便意を催すという仕組みです。グリセリンは体内に吸収されないので、経口タイプの薬のような副作用がありません。便は腸内にあると日を追うごとに硬くなってしまうので、便秘は早いうちに手を打つのがおススメです。この動画によって安全な正しい使い方が広まることで、浣腸を気軽に利用していただける方が増えるよう願っています。
ーームネ製薬の浣腸はジャバラ型で、これまでのイメージと違っていました。この形状にはどんな意味があるのでしょうか?
西岡:高齢になって指の力が弱くなった方たちにも使っていただきやすいよう、この横潰し式のジャバラ型に辿り着きました。他にも挿入時になるべくワセリン等の潤滑剤を用いなくてもいいようノズルに波のような山をつけたり、容器にはさまざまな工夫をこらしています。この形がこれからの浣腸のイメージとして定着すると嬉しいですね。
◇ ◇
筆者も西岡さんの話を聞くまで、浣腸はよほどひどい便秘になった時の最後の切り札のように思ってしまっていた。便秘に悩むくらいなら気軽な浣腸でスッキリした生活を送ったほうがいい。ご興味のある方はぜひムネ製薬のYouTube動画や公式ホームページをチェックしていただきたい。
ムネ製薬株式会社
本社所在地:兵庫県淡路市尾崎859
公式ホームページ:https://www.mune-seiyaku.co.jp/