ワニのダシと肉のワニラーメンを食べた結果 / 池袋・六感堂のクロコダイル中華そば

ラーメンのダシといえば、豚や鶏が定番。牛もたまにある。珍しい動物系だとジビエの鹿ラーメンもある。実際にいろいろ食べてきたが、豚も鶏も牛も鹿もウマイ。しかし、さすがに「ワニのラーメン」は初めてだった。

清野とおる先生が暖簾をデザイン

徹底的にワニと食材にこだわったラーメンが食べられるのは、JR池袋駅から徒歩圏内にある『六感堂』(東京都豊島区池袋2-23-5)。漫画家・清野とおる先生が暖簾をデザインしたことでも知られている人気店だ。

豚そばや煮干しそばが大人気

ワニラーメンは2023年1月の期間限定メニューで、いつもは豚そばや煮干しそばをメインに人気を博している。

実際に豚そばを食べてみたが、繊細ながらもダシがキュンときいたスープが細麺にからみついて美味。九条ネギをトッピングすると旨味と甘味が引き立つのでオススメだ。

頻繁に期間限定メニューを販売

ちなみに、今回のワニラーメンだけでなく、頻繁に期間限定メニューを販売しており、筆者が食べた「ラムとクルミの汁なし担々麺」(税込1500円)も絶品だった。

ラムとクルミの汁なし担々麺もウマイ

ここの料理はどれも塩気や「濃い味付け」でゴリ押ししてない。奇抜な食材を使用しても奇抜さだけで突っ走ってない。すべて繊細。丁寧に「食中」「食後」の味覚状態を考えてくれている。この店の期間限定にハズレなし。たぶん。

正式名称は『クロコダイル中華そば』

さて本題のワニラーメンだが、正式名称は『クロコダイル中華そば』で価格は税込2800円。「えっ? ラーメンに2800円? 高すぎない?」と思うかもしれないが、高すぎない。日本の食材として希少なワニを食べられる体験、しかもラーメンとして食べられる体験、「なによりウマイ」ということを踏まえて考えれば、決して高くない。絶品エンターテインメントここにあり。

ワニ骨でダシをとったスープ

どれだけワニにこだわっているのかというと、ワニはオーストラリア産クロコダイルを使用し、ワニ骨でダシをとったスープで、チャーシューもワニ肉(ストイップロイン)だという。とことんワニ! いまだかつて、ここまでワニにこだわったラーメンが存在しただろうか。

ということで、さっそく『クロコダイル中華そば』を食べてみた。


麺は「山口や特注細麺」

お店に貼られた『クロコダイル中華そば』の詳細情報によると、ダシはワニ骨、丸鶏、鰹節、煮干し、ワニ脂のミックス。具としてワニチャーシュー、ワニワンタン、極細メンマ、九条ネギが盛られている。麺は「山口や特注細麺」だという。

オーダーから着丼まで、さほど時間はかかわらずスピーディー。2800円だからガッツリ大盛りというわけではなく、ひとつひとつの食材を丁寧に盛り付けた醤油ラーメンといった感じ。むしろ無駄に具がたくさん盛られていない点が好感持てる。

食べるたびに香ばしさが広がるワニチャーシュー

ワニチャーシューは極めて鶏肉に近いテイストだが、鶏肉よりアッサリしており、身に弾力がある。だからといって硬いわけではなく、フワッフワな食感。ワニ肉を焼いたのか、食べるたびに香ばしさが楽しめて良き。

ワニ肉のワンタンも美味なのよ

ワニ肉を使用したワンタンも美味で、強い旨味が広がるものの、いっさいワイルドな臭みはなく、レンゲで多めのスープとともにすするように食べると美味。これはアリ寄りのアリゲーター。

まろやかな旨味の柔らかさと心地よいコク

とにかく驚かされるのが、ワニダシの旨味。もちろんダシとして丸鶏や煮干しも含まれているのだが、そこにワニが入ることで「まろやかな旨味の柔らかさと心地よいコク」が出せている点が驚き。

昔ながらの美味しい醤油ラーメンがワニによって昇華

麺が細いため、麺と麺の間に大量のスープを纏うので、一口で味覚にやってくる旨味量がハンパない。凄まじく特徴があるラーメンというより、昔ながらの美味しい醤油ラーメンがワニによって昇華された感じだ。ワニ、良い仕事している。

ブッ飛んだ発想ができるグルメ界の風雲児

ワニがここまでラーメンとの相性が良いとは思わなかった。そもそも、普通ならワニのダシでラーメンを作ろうという発想が出ないよね。きっと店主は普通ではないのだ。ブッ飛んだ発想ができるグルメ界の風雲児かもしれない。

ちなみに『クロコダイル中華そば』は2023年1月27日からスタート。期間限定なので、気になる人は食べに行ってみてはいかがだろうか。


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