低コストで画期的な地雷除去装置が開発された。
風で回転しながら自由に彷徨う丸い物体。遊園地のアトラクションとしてなら違和感はないが、砂漠の風景に溶け込んでいない。
まさかこれが地雷を除去するなんて、驚きである。
棘皮動物のような風体の形で、材料がゴム、竹、鉄、プラスチックと特別なものは使用していない。風力でコロコロ転がして対人地雷を除去するなんて発想は目からウロコである。
最大4個まで自爆が可能で、費用は51ドル(約4900円)で済むプロジェクトだ。
この地雷撤去装置の名前は「Mine Kafon」(マイン・カフォン)で、オランダでデザインを学んでいるマスード・ハサーニ氏が開発した。
地雷は世界120カ国以上に1億個が現在も埋められており、これから使われる地雷も1億個あると言われている。年間で一般市民が被害に遭っている人数は2万人(推定)にも及ぶ。
また、NGOなどが海外でチームを編成、訓練、機材、移動、人件費などを含めると約4,000万円も費用が膨れ上がる。とある日本の民間企業がカンボジアなどで進めたプロジェクトの経費はおよそ5,000万円もかかるという。
「Mine Kafon」を開発したハサーニ氏は14歳でアフガニスタンから亡命。アフガニスタンは南アジアと中央アジアの狭間に位置する多民族国家で、1979年末のソ連軍による軍事介入や撤退後も内戦が20年以上続いている。4年に渡る干ばつなどで、住居や水など最低限の条件が満たされず、テロや麻薬の問題などで治安は悪化の一途。埋まっている地雷は3000万個で、アフガニスタンの人口とほぼ同数になる。
モロッコの砂漠で実施された「Mine Kafon」のテストはオランダの爆発処分兵器ユニットと行われたが、問題点も浮かび上がった。軍用に使用するには適していないようだ。これからは装置を20倍にして重量を増して起爆力を上げ、GPS追跡装置や自動的に撤去できるようにしたいという。これまでの地雷除去よりもはるかに廉価で、安全に撤去が可能なプロジェクトをさらに進めるにあたって、マスード・ハサーニ氏は援助してくれるスポンサーを募っている。
画像引用先:kickstarter.com (http://www.kickstarter.com/projects/massoudhassani/mine-kafon)