週刊少年ジャンプにて『いぬまるだしっ』を連載し、唯一無二のコミカル展開が絶大な支持を得た漫画家の大石浩二先生(39歳)。現在はジャンププラスにて『トマトイプーのリコピン』を連載中で、集英社の漫画なのに講談社のマガジン編集部に見学に行ったエピソードは高い評価を得た。
遊び過ぎによる休載ではないと否定
そんな奇抜な展開で多くの読者を楽しませている大石浩二先生だが、2022年3月14日に自身の公式Twitterにて休載報告とお詫び文を掲載。遊び過ぎによる休載ではないと否定している。また、話題のゲーム『エルデンリング』の遊びすぎでもないと否定している。以下は、大石浩二先生のお詫び文である。
この度は本日のトマトイプーのリコピンが休載していることについて心よりお詫び申し上げます。また今回は編集部による配慮で、休載の代原として以前描いた読切を掲載するのはどうか? との相談をいただき それならば、と冬季五輪に合わせてフィギュアスケートを題材にした作品を掲載させていただいております。一読してただければ幸いです。しかし五輪も気が付いたら完全に終わっており、もう少し早く休載すべきだったと反省するとともに重ねてお詫びいたします。
休載するたびに毎回のように「遊んでいるんじゃないか?」と言われることがありますが、そこは声を大にして否定させてください。ちょっと自信ないのでやっぱり声を中くらいで否定させてください。漫画に限らず仕事には締切というリミットが設定されているのですが、私はその締切まで一切時間を漫画以外のために使うことはありません。話題のゲーム・エルデンリングなど一切やっておりません。面白くしよう。読者を喜ばせたい。もっとこうしたらいいかな? その純粋な読者への思いが強すぎて、試行錯誤しすぎて締切をオーバーしてしまう。休載とはそのようなことだと思っていただけたら幸いです。
過去に週刊連載をしていたころには、そのような状況になればまず睡眠時間を削る、という方法で乗り越えていました。もちろんそれは命を削る行為であり、健康に多大な影響を及ぼしました。自分の吐血で原稿が汚れ、それをアシスタントにホワイトで消してもらったという経験がある漫画家も少なくないのではないでしょうか? 本当にホワイトで修正しなければいけないのは、そのブラックな労働環境なのに。
現在、世の中はコロナ禍という大変な状況ではありますが、これを機に「無理することが美徳」という風潮が少しでもなくなれば、と思っています。発熱時でも辛くても無理して学校や仕事に行くことが素晴らしいこと。「頑張れ」は「無理をしろ」の意味。気合や根性という概念の過大評価。少なくとも僕の学生時代はそのような風潮でした。何よりも健康な体と健康な精神が大事なはずです。
無理をしても結果的に作業効率が落ちたり、周囲に迷惑をかけることになります。エルデンリングでもそうです。敵の隙に攻撃を当てた時「もう一発当たるかも」 と無理をすると逆にダメージを食らってしまいます。高難易度と言われているこのゲームですが、「相手の動きをよく見る」「無理をしない」という立ち回りが攻略の鍵だと思われます。
この度の休載につきまして pic.twitter.com/B0wsSm2NnF
— 大石浩二 (@k_marudashi) March 13, 2022
すみません、次回3月14日(月)更新のリコピンはお休みです。代わりになんらかの僕の過去読切が掲載されるみたいです。楽しみにしている方申し訳ございません。謝罪文はもう書き終えているのでご安心ください。 pic.twitter.com/QvJMmRNL6Z
— 大石浩二 (@k_marudashi) March 9, 2022
「エルデンリングなど一切やっておりません」
大石浩二先生は「話題のゲーム・エルデンリングなど一切やっておりません」と述べているが、不思議なのは、このお詫び文、読めば読むほど『エルデンリング』の遊び過ぎで休載したのではないかと疑念が湧いてくる点である。とはいえ、本人が「エルデンリングなど一切やっておりません」と言っている以上、信じるしかあるまい。
漫画家は健康状態を保てないケースが多い
ただ、大石浩二先生が漫画業界に対し、極めて重要な意思表示をしている点は高く評価されるべきだ。「無理することが美徳という風潮が少しでもなくなればと思っています」という部分である。何事も、健康的な状態で行われるべきなのだが、締め切りに追われがちな漫画家という職業は、無茶をすることが日常で、健康的な状態を保てないケースが多いといわれている。
漫画家が健康であればより良い作品ができるはず
身体が悲鳴をあげる状況になること自体が不健全。もし悲鳴をあげそうなら、無理をせず休む。「原稿を落としてはいけない」という使命感から無茶をしがちな漫画家は少なくないと思うが、漫画家自身が健康であればより良い作品作りができるだろうし、読者としても嬉しいはずだ。
ケイリッド南の不落の大橋はルーンを集めやすい
大石浩二先生の作品が休載になることは悲しいことだが、大石浩二先生のお詫び文は漫画業界に一石を投じるものになったのは間違いない。大石浩二先生は日常的にハードスケジュールかもしれないが、漫画執筆はもちろんのこと『エルデンリング』もやりすぎに注意しつつ攻略を進めてほしいものだ。
ちなみに、ケイリッド南の不落の大橋はルーンを集めやすいので、オススメである。
※冒頭画像は漫画家のイメージです(写真ACより)