全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。12日放送のTBS『バナナマンのせっかくグルメ』で、岩手・盛岡にある“柳家”の「キムチ納豆ラーメン」が紹介されていた。「キムチ納豆ラーメン」と聞いてそのぶっ飛んだネーミングにビックリされた人も多いのではと思う。
「キムチ納豆ラーメン」は盛岡のソウルフード的な人気商品で、柳家がその元祖と言われる。
もともと日本蕎麦屋としてスタートした“柳家”だったが、開店当初はお客さんがあまり入らっておらず、その窮地を救ったのが初代店主の大信田和一さんが考案した「納豆ラーメン」だった。
和一さんが10代の頃、当時働いていた盛岡駅前の仕出し屋のご主人に作ってもらった納豆汁からインスパイアされ、ラーメンにアレンジして出したら大好評。周りに醤油ラーメンのお店が多い中、話題になった。
その後、女将である妻・良子さんが、まかないで納豆ラーメンに香の物として置いていたキムチを入れて食べたところ、その相性が抜群であることに気づく。それがキムチ納豆ラーメンの誕生秘話である。
偶然の産物として生まれた「キムチ納豆ラーメン」は、他を寄せ付けない個性であっという間に盛岡の人気ご当地メニューとして知られるようになる。80年代には“キッチンあべ”のカツカレー、“とんかつ熊さん”のスタミナ味噌ラーメンとともに盛岡のソウルフードとして人気は頂点に達したのである。
味噌の旨味に納豆の大豆の甘み、そしてキムチのワイルドな味わいが加わり、中毒性がありながらもホッとする味にまとまっていて、これぞ北の味という雰囲気もある。麺には自家栽培した小麦を使うこだわりようだ。
ぜひ現地でお店で食べてほしいという思いが強いが、通販の冷凍ラーメンもかなり再現度が高くオススメだ。
テレビで気になった人はまずトライしてみてほしい。そして、盛岡に遊びに行く時は、ぜひお店に足を運んでみてほしい。