昭和レトロブーム到来!骨董品級のスマートボール、手打ちパチンコ台を見てきた!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、ライターの丸野裕行です。

最近若者の中では、「昭和レトロブーム」が巻き起こっているんですよね。例えば、往年のハンバーガーやうどん、そばなどの自動販売機や使い捨てカメラ、レコード、チェキ、カセットテープ、ビデオテープ、純喫茶、ジャズ喫茶、レモンスカッシュ、メロンソーダ、プリンアラモード、インベーダーゲームなどなど、静かなブームとなっています。

筆者が住む京都でも、木屋町の入り口にある『純喫茶フランソワ』の前には若者が行列を作っています。「タイムスリップ昭和」な空間に彼ら彼女らは魅力を感じているわけですね。

“飴色に変色した年季の入った空間”を楽しめる場所としては、純喫茶の他、細い路地の共同トイレで用を足す飲み屋街、銭湯、安ホテルなど。こういった場所で今、若者たちが賑わいを見せています。

自分たちの親たちが育った懐かしい場所や食べ物、時代をまたぐ昔話を店のママと交わせる楽しみ。見たことはないけれどあこがれを感じる「昭和」に対して、心の居場所を探しているかのかもしれません。

そこで今回は、今注目され、他府県から足を運ぶ若者たちがSNSで賑わいを見せている「日本最古のスマートボール機が設置されている遊戯場」を覗きに行きました。

インバウンド需要が落ち込んでから若者たちが急増

そこは鳥取県三朝の温泉町。少し不便な観光地で、細い街並みに一軒の遊技場があります。以前は温泉と料理をメインに取材した場所ですが、コロナ禍になり外国人観光客が減った途端に若者たちが急増。彼らのお目当ては、日本最古である貴重なスマートボール機や手で玉を込めて打っていく歴史もののパチンコ台です。

このメインストリートや昭和が色濃く残る風景を撮影することで「エモくて」「バエる」SNS投稿になるなんです。

温泉町の住人のホンネ

外国人が幅を利かせることにも飽き飽きしていた三朝の旅館主や住人たちは、昔のように日本情緒がわかる、歴史を愛してくれる日本人観光客が戻ってきているのを歓迎しています。その人気の一端を担っているのが、この非常に人の目を引くこの遊戯場。

経営者は三朝温泉の広報マン

この遊技場を経営するはこの通りの奥にある『旬彩の宿いわゆ』の代表・知久馬宏平氏。代表は、この三朝温泉の広報担当者として映画を誘致したり、テレビ番組に出演したり、この街を盛り上げるために尽力しています。

丸野(以下、丸)「いかが思われますか、このノスタルジーな昭和を愛する若者たちの人気については

知久馬氏「コロナ禍があって経営する側と若者たちが共鳴し合うという構図になり、哀しくもあり、うれしくもあるんですが、皮肉なものです

丸「コロナが収束してもここへとやってくる若者たちは減らないと思いますが……」

知久馬氏「さてどうなんでしょうか。そうなって、三朝温泉の知名度が上がり、近くの三徳山に登る人たちが訪れて、街が潤えばいいのですが……。それをめざしてやってますね」

スマートボールが大人気の店

丸「このスマートボールはどのようなものなのですか?

知久馬氏「これは日本で最古のスマートボールですね。今、全国から譲ってくれという連絡がくるんですが、絶対に譲りません。ですが、ガラスが割れたり、中の部品がダメになると修理してくれる職人さんがいないんですよね。そこは困りますけど(笑)」

丸「僕もアンティークものが好きですが、やっぱり譲れないですよね。この間大阪の渋かったスマートボール店が閉店していました。もったいない」

知久馬氏「わかってもらえますよね、こっちにファンがやってくるのが。ちょっとやってみましょうか?

丸「はい!」

手打ちのパチンコ台もアンティーク

丸「こちらのパチンコ台は?

知久馬氏「これは手打ちのパチンコ台になります。40年代よりも古いんじゃないですか? 気に入って数台仕入れてきました。今の若者たちは自分の手で弾くパチンコなんて知らないでしょう。派手派手しくネオンが点滅して、ちょっとレバーをひねれば玉が穴に吸い込まれていくんですから。しかも、流行のアニメキャラやアイドルまで出てくる。でも、ウチの手打ちパチンコのそこに惹かれるんですよ

丸「なるほど。でも昭和に原点回帰する気持ちもわかりますね。紙からWeb、Webから紙へ僕はまた戻ると思っているんですよね。だから様々な紙媒体も書いているわけで……時代は巡りますよ

知久馬氏「そうですね、次世代の若者に喜んでもらうためにとにかく高齢者になってもこのお店を盛り立てていく覚悟はできていますよ

筆者はこの取材後、鳥取から岡山へむかった先の道すがらの昔懐かしき昭和のうどんそば自動販売機で一杯のうどんを食べる機会に恵まれました。そこで知久馬氏が語ったあの強い決意に、再び想いを馳せるのでした。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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