今回もTVメディアを使ったゴリ押しが、どんな結果を招くのか、ビデオリサーチが2月と8月の年2回発表しているテレビタレントイメージ調査の結果を見て考えてみました。
ビデオリサーチの調査方法と結果は以下のとおり
調査期間 2012年7月14日(土)~7月22(日)
調査地域 東京駅を中心とした半径30km圏
調査対象者 満10歳~69歳の男女個人
有効標本数 1,130人
標本抽出法 エリア・ランダム・サンプリング法
調査方法 訪問による質問留置法
男性の1位は阿部 寛 2位は明石家さんま、3位は桑田佳祐
女性の1位は綾瀬はるか 2位は浅田真央 3位は天海祐希
この調査結果で毎回言われるのが、アンケート用紙があいうえ順に表記されたタレントの名前をチェックしていく方式なので、名前が「あ行」の人が比較的上位になる傾向があるということ。
調査結果は50位まで発表されるのだが、注目されたのは圏外のタレント。
特に多数のCM契約数を結んでいるはずの剛力彩芽、武井咲がなぜ50位にも入れないのか?とネットの掲示板で盛り上がっていた。
この二人は大手のCMに出ているため、毎日のようによく見かける。
それなのに圏外なのである。ネット掲示板の反応は冷めたものだった。
同情する意見も少なからずあるのだが、揶揄する言葉が出るくらいゴリ押しタレントというレッテルが貼られている。ケータイのCMが違う人物なら、売上はもっと違う結果になっていたなんて意見もあった。
共通点は二人とも同じ芸能事務所なので、見ている側はどうせゴリ押しなんだろうと、思ってしまうのかもしれない。
主演ドラマの合間のCMで同じ人物が出ると、かえって逆効果になってしまうのではないだろうか。昔、サッカーの生中継で、試合中でもCMを流す時代があった。見ている側はそのCMに対して嫌悪感を抱き、CMの商品なんか買うかよ!という気持ちにさせられた。
きっと、この二人が出ているCMを見ると、無理やり押し付けられているという感覚になっているのではないだろうか。
ビデオリサーチの結果に対する所属事務所の関係者は「武井はまだ2年目なんです。それで幅広い層にまんべんなく知られるのは難しい。ま、次回を見てください」とのこと。(他の記事だと若干ニュアンスが違うものがある)
この発言が本当だとすると、気になるのは「ま、次回を見てください」の部分だ。
次回ということは、まだゴリ押しを続けるということなのだろうか。
まるで若い女優の賞味期限切れを恐れているかのような発言である。
本当に所属タレントのことを想うなら「ま、5年先を見ていてください」ではないだろうか。
日本はファンが見守りながら育てていこうという風潮があるみたいが、そんなのは一部の熱狂的なファンだけであって、未熟な演技や歌をTVで見せられることに嫌気がさしている。
人材不足なのか、それとも大手プロダクションや広告代理店などが牛耳っているためなのか、所属事務所によって出演者の枠が決まって見えるのは大変不幸なことである。
こんな状況だと新しい本物のカリスマ性のある人間は出てこないだろう。
視聴者は厳しい環境から実力で這い上がってくる役者や歌手や芸人を見たいのではないだろうか?
猫にもそっぽを向かれないようにTV業界にはがんばってほしいものである。
画像:from flickr YAHOO! (http://www.flickr.com/photos/spilt-milk/6525331071/)