小越勇輝インタビュー「SNSは日常の一コマ。ちょっとしたことをみんなで楽しみたい」 映画『人狼ゲーム デスゲームの運営人』公開

  by ときたたかし  Tags :  

シリーズ初、男性を主人公に人狼ゲーム“運営人”の裏側もスリリングに描く映画「人狼ゲーム」最新作、『人狼ゲーム デスゲームの運営人』が公開になります。シリーズ累計150万部を誇る原作者・川上亮さん自ら脚本・監督を務めており、注目ポイント満載の最新作となっています。
 
その公開を記念して、主人公・正宗役の小越勇輝さんにインタビュー。“運営人/9人の参加者/運営側の裏切り者”というそれぞれの思惑が交差しまくりの予測不能のデスゲームが展開する中で運営人・正宗を演じた感想をはじめ、ファンとの交流の楽しさなどを語ってくれました!

STORY
命がけの人狼ゲームーー。それは、ネットや拉致によって集められた未成年の参加者が、勝敗と賞金を賭け騙し殺しあう〈究極〉のデスゲーム。「運営人」の正宗は家庭教師時代の教え子・夏目柚月が参加させられていることに気づく。『彼女を救いたい。運営本部に殺されてもいい。』そう考えた正宗は秘密裏に柚月にヒントを伝えていく。しかし、ほかの参加者たちの戦術に翻弄される柚月。そして正宗は運営側の思いもよらぬ陰謀に巻き込まれていく。果たして究極の条件の下、彼女を勝利に導くことはできるのかーー?!

●今回、シリーズ史上初の男性が主人公でしたね!

男性が主人公なのかって、まずそこでびっくりしましたよね。ただ、出演が決まって時間が経っていくに連れて、うれしさもありながら気合いも入りながら、同時にプレッシャーと不安も生まれました(笑)。

●シリーズは観ていましたか?

はい。すごく緊迫するシーンが連続して、でも緊迫するからこそ人間の悪い側面も炙り出されていくので、そこがすごく面白いですよね。ただ、もともとサスペンスやスリラーはよく観ていたのですが、大人になるにつれて、どういうわけかグロい描写が苦手になってしまって。ちょっとした手術のシーンでも目を細めてしまうほど。でも観ちゃいますけど(笑)。

●今回の感想は?

女性はグロいシーンなど苦手な人もいるかもしれないですが、今回はそれだけじゃないというか、そういう部分よりも人間の物語、感情のドラマがすごく観える作品になっています。そこは安心して……じゃないですが、深みがあるストーリーもいいです。ひとりでも多くの方たちに届くといいなと思います。

●正宗は運営側の人間ですが、どう演じましたか?

僕は正宗という役を演じるなかで、普通ではないストーリー、世界観の前提に立っていることを意識しました。人を拉致してデスゲームに参加させて、人が目の前で何人も死んでいく――これは普通じゃないですよね。彼にとってはそれさえも退屈な日常になっているところから、自分が好きだった子が参加することになり、そこからどんどん気持ちが揺れ動いていく。自分の命を賭けてでも守りたい助けたい、そういう心の揺れというか、そういう側面を観た時、ちゃんと人の心は残っていると思いました。

●それだからこそ、過去のシリーズとは一味違う作風になりましたね。

そうですね。今回は運営側にスポットが当たっているので、運営側のドラマと参加者側のドラマ、その両方が楽しめますよね。今までのシリーズのようにゲーム側の緊張感であったり、生き残るための必死な感じも描かれていると同時に、運営人側の物語、気持ちの揺れ、そこの緊張感もあるので、両方、倍で楽しめるなっていうものはありますよね。

●ところでブログを拝見していたらファンの方とのコミュニケーションを大切にされていますよね。


SNSは昔からやっているのでコミュニケーションを意識する前に、僕には日常の一コマであり、今の時期はそういう場所でしかコミュニケーションを取る場所がないかもしれません。もちろん答えられないこともあるのですが(笑)、コミュニケーションは今後も取っていけたらいいなあとは思っています。距離感はすごく難しくて、遠すぎても近すぎても、それは理想的なことじゃないかもしれないですよね。

だから全部の情報を出さないまでも、ちょっとしたことでみんなで楽しめればいいなという気持ちもあります。そういう風に発信したり、コミュニケーションを取ることで、誰かの悩みが消えたりすることもあるんです。はからずも疲れが飛びました、元気が出ましたという言葉をいただくと、個人的にはたいしたことをしているつもりはないけれど、誰かのパワーになっている瞬間を見ると、少しでも還せたらという想いで書いています。

●将来的に目指している俳優像はありますか?

余裕がある人でありたいなとは思っています。自分が少しずつ歳を重ねていくにつれて、それが少しずつ出てきているような気はするのですが、それでもやっぱり周囲が気になったり、周囲と比べたりする部分があったりして、焦ったりすることは正直あるんですよね。素直にすごいなって思うと同時に、自分なら何ができるのかなと思ったりしてしまう、そういう瞬間はどうしてもあるのですが、自分にしかできないものがあると思うので、そういうものを見つけて確立して、という想いもあります。

それはこれからいろいろな作品に関わって演じていくうえでも迷い続けることだと思いますし、こういう役が得意だからそれをずっとやり続けるというよりも、いろいろなジャンルの役を演じたいと思っていて、自分自身もそうだし、見ている周囲の人も楽しめるような俳優になりたいなとは思っています。それは余裕がある人とはちょっと違うかもしれませんが、広い意味で信頼される人になりたい。仕事を任せてもいい、プライベートでも信頼されるような、そういう大人になりたいですね。

●今日はありがとうございました!

小越勇輝(おごえ・ゆうき)
1994年4月8日生まれ。東京都出身。2010年にミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」に主演し、2014年に通算500回公演出演を達成。2016年、BSスカパー!ドラマ『弱虫ペダル』で連続ドラマ初主演を果たす。ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(19年)、『そして、ユリコは一人になった』(20年)、映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2』(19年)など、話題作への出演も多数。本作『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(20年)が映画初主演作となる。また無観客収録でのワンショットドラマ『キ上の空論 うちの鼠は沈む船を見捨てぬ。』がVimeoにて11月に有料配信予定。

スタイリスト 小田優士
ヘアメイク 小竹珠代

●タイトル:『人狼ゲーム デスゲームの運営人』
●クレジット表記:(C) 2020「人狼ゲーム デスゲームの運営人」製作委員会
●公開表記:11月13日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほかにて公開
●配給:AMGエンタテインメント
●キャスト:小越勇輝、中島健、ウチクリ内倉、坂ノ上茜、桃果、山之内すず、福崎那由他 ほか

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo