便器にかける情熱は世界一、あの『TOTO』が、排泄物を燃料にして走る究極のエコ・バイク『トイレバイク ネオ』を作ったと聞いて、さっそく実物を見に行ってきた!
なんでも聞くところによると、ウンコを燃料にして走る夢のようなバイクで、タンク満タンのウンコで300kmの走行が可能なんだとか。ウンコで運行……ププッ! これまで、ただトイレに流すか、せいぜい堆肥にしかならなかったウンコでクルマが走ってしまうなんて、まさに夢の技術。しかも元がウンコだけに、カーボンニュートラルが成立するエコっぷり。これでもうニート生活中でも「クルマの燃料を製造する仕事です」と胸を張って生きていけるな!
胸をときめかせてやってきたのはTOTOの大宮ショールーム。トイレバイクは入ってすぐ横に展示されていた。まずはスペックから。
「トイレバイク ネオ」のスペック
全長:2490mm
全幅:1300mm
全高:1570mm
車両重量:380kg
排気量:249cc(250cc未満)
最高速度:70~80km
走行可能距離:タンク2つ満タン時で約300km
最初にその意外なデカさに驚かされる。レトロな雰囲気のバイクを、後部に据えられた巨大な燃料タンクを支えるために三輪のトライクに改造。この巨体を時速80kmで動かしちゃうなんて、やるじゃないか、ウンコ。座席部分にはTOTO便器の最高峰「ネオレストAH3」(定価:36万1000円)を採用し、ちゃっかりTOTOをアピール。便器の“穴”の部分にはちゃんとシートになる詰め物が詰まっていたけど、いざとなったら取り外して、自前の“燃料”を補給しながら運転することもできるに違いない。
後部に46リットルの巨大ボンベを2個搭載。これを満タンにすると300kmの走行が可能に。気になる“臭い”はこれっぽっちもしなかった。でも、もし事故を起こしてしまったら、フンだり蹴ったりの悲惨な状況になることは目に見えている。実用化された暁には、くれぐれも安全運転を心がけていただきたい。あいにく走行デモはなかったので、排気音が「ブボボ……モワッ」と鳴るかどうかは未確認。てっぺんの巨大トイレットペーパーはただの装飾でありご愛嬌。
『トイレバイク ネオ』は、節水など水まわりのエコに取り組むTOTOの姿勢をPRするために作られた一品モノであり、商品として市販できるレベルのものではない。でも、ウンコを素にクルマを動かすというバカバカしい発想を形にしたところはスゴイしエライ。世界を「Only in Japan!」と驚愕させるTOTOの水まわり製品は、きっとこういう豊かな発想から生み出されているのだろう。
『トイレバイク ネオ』は、大宮では9月2日まで、その後は東北・北海道地方のショールームで展示される予定。興味のある人はぜひ見に行ってみよう。
末筆になるが、このバイクの燃料はあくまでもメタンを主な燃焼成分とするバイオガス(北海道鹿追町と神戸市が供給)であり、人間のウンコなどこれっぽっちも使われていないという真実を暴露し、読者ちゃんの夢をぶち壊してこのリポートを終わろうと思う。そんなにいつもいつも胸をときめかせるニュースばかりあると思うなよ? 世の中甘くねーんだよ!?(逆ギレ)
トイレバイクネオ公式サイト
http://tototalk.jp/top