調理時間
炊く前5分、炊けたら2分
材料 2人分
米 1合
海苔 おにぎり用のもの3枚程度
豆腐 もめん半丁
薬味 なければなくてもいいです(今回は大葉の千切り)
塩
おしょうゆ
作り方
【1】
米をとぎます。塩をふたつまみ。おまじない程度入れてください。【2】
海苔をちぎってお米のうえにのっけて炊きます(写真はちぎる前のもの)
【3】
炊けたらお茶碗によそって、木綿の豆腐をお箸で崩して乗っけて、おしょうゆをたらしてから、いただきます。
【ワンポイント】
薬味があれば乗っけるとおいしいです。
●海苔の炊き込み&とうふ丼
女性ファッション雑誌は、そこでしかお目にかかれない「ことば」の宝庫です。
たとえば「こっくりとした色」。
特に化粧品の色味を表現するときの最近の「紋切型」のようです。
「こっくりした色」、こっくりさんがきてる服みたいな色ではありません。
なんというか、秋の落ち葉舞うレンガの小道の色みたいなそういう感じの「色が濃くて上品な」感じの色をさすようです。
「こっくりしたブラウンが目元に甘い陰影を産む」
なんて使い方をします。
これが、
「八丁味噌ような茶色が目元に甘い陰影を産む」
となると、同じ色を表現することばでもモテ度に変化があるように思います。
お料理の世界にもこういった、流行りの紋切り表現があるようです。
食味のよいたべものにたいして、「この味は鉄板」とことばで表現するのをやたら目にします。
おいしいものを「おいしい」と書いただけでは芸がありませんから、べつの言葉でいかに「おいしい」的な表現をするか、ということを、お料理に関して書く人たちは心を砕いているのでしょう。
かくいうわたしも「鉄板」を濫用していることにこの連載を書いていて気がつきました。
気がついてしまうとちょっと気持ちが悪くなってくる。
「うまいもの」を「おいしいです」としか言えない自分もいやだけど「鉄板です」で逃げるじぶんもゆるせない。
今からちょっと、鉄板を封印します…。
それで、晩ご飯に作ったのがもうずーーーーーーっと、子どもの頃から食べている「豆腐ぐちゃぐちゃごはん」のアレンジバージョンです。これこそ「禁じ手」をここぞとばかりに使って表現したい味。
豆腐をお箸で崩してごはんに乗っけてお醤油をかけて食べる。これだけでもうほかには何もいらない。そんな時期もあったほどの大好物です。姉には気持ち悪がられていましたが、最近、すでに料理のオーソリティとして遇されているタモリさんがこの食べ方を広めてくださいました。
タモリさんの豆腐丼だと、好きな男性にお夜食なんかで出す時に、ちょっとまだ見た目が微妙。「こっくり」とモテるためには飾りも必要。そこで、海苔の炊き込みごはんを炊くとあら不思議。ちょっと見た目がいい感じのどんぶりになります。
海苔がまぶされて「こっくり」とした色になったごはんも、磯の香りでとても食が進みます。
この組み合わせ、まるで東亜建設工業の港湾工事ぐらい間違いのないものです。
●ごちそうさまでした。