調理時間
炊く前10分、炊けたら40秒
材料 2人分
米 1合
セロリ 小さめのものひと枝ぶん(葉っぱも使います)
鳥の手羽元 2つ
おしょうゆ スプーンなみなみ 2杯
チューブのショウガ 1スライム
塩
作り方
【1】
米をとぎます。塩をふたつまみ。おまじない程度入れてください。【2】
セロリは葉っぱを取り除いて細かく切り、お米の上に乗っけます。
鳥の手羽元もお米の上に乗っけて、炊きます。
【3】
炊けたら葉っぱを乗っけて混ぜます。
【ワンポイント】
味が足りなかったらお塩で調整を
●セロリと鶏肉のまぜごはんのお話
「フライパンを強火で熱し、肉に焼き色をつけてうまみをとじ込めます」。
料理本を読むとかなりの頻度でこの文言が出てきます。
わたしは、この一文を守ろうとしたがために、何度も失敗料理を作ってきました。
カンカンに熱したフライパンに油がなじまず、あっという間に肉がこびりついたり…油をなじませてからえいやっと投入すると今度は肉が焦げてしまったり…いい感じに焼き色がついたと思ったら中身が生焼けだったり…。
「やっぱりプロと自分は作れるものが違うんだなぁ」なんて思ったりしていました。
シチューや角煮などの、肉の煮込み料理でも「臭みをとるために、お肉を一度沸騰したお湯にいれ、ゆでこぼします」とか、「一度フライパンで焼き色をつけてから煮ましょう」とか料理本には出てきます。まねするとやっぱりお肉はカチカチに固くておいしくならない。
「なんでこんなに固いんだろう…使っているお肉が悪いのかな」なんて思ったりしていました。
「やっぱりわたし、料理下手なんだな」というわたしのコンプレックスを解消してくれたのは、24歳のとき(いまから約10年前)のこと。管理栄養士として働く姉のひとことでした。
「あーちゃんは、強火コンプレックスだね。強火なんか使わなきゃいいんだよ」
姉が言うには、家庭のガス台は確かにプロ仕様のものに比べて火力は弱いけど、お鍋やフライパンと火の距離がプロ仕様のものに比べてかなり近いそうなのです。つまり、トータルに見ると家庭用のガス台のほうがよほど高温で材料を熱しているそうなのです!!
えー!! まじかよ!!
だから、家庭のガス台には、強火は必要ないそう。
フライパンに炎がくっついちゃうぐらいの火力は「超強火で、炎の中に材料を入れているようなもの」で、プロでもそんな無茶はしないと姉はわたしに教えてくれました。
肉の煮込み料理に関しても同様で「水からゆっくりとろ火で煮ていけばいいんだよ」と言うのです。
「お肉が一番おいしくなるのは、お肉の温度が60度から80度の間になっているときなの。お肉のタンパク質が固まってアミノ酸が増えるからなのね。アミノ酸って言うのはうまみ成分と言っておいしさのもと。
それに、お肉がこの温度になるとコラーゲン質がゼラチンに分解されるから、柔らかくなるんだよ。
60度〜80度の温度をなるべく長く保ってあげると、お肉は柔らかくおいしくなる」
え、でも灰汁が出るじゃない、と反論するわたしに、
「あーちゃん知ってる? お肉の灰汁の正体は、タンパク質とか脂肪なの。そんなに敵視しないでいいよ。お澄ましみたいに澄んだスープを作るなら、ちゃんとお肉の灰汁はこしたほうがいいし、古いお肉の灰汁は取ったほうがいいけどね。新鮮なお肉は灰汁は決して悪い風味でないし、それにお肉の灰汁をわざと残したりするお料理もあるんだよ」というのです。
へー。お水からお肉を煮るのか。おいしい焼き色はつかないけれど、これなら確実に柔らかく煮えます。
それに、お肉を水から煮ると出汁が出てほかの具もおいしいくなりますよね。
今回のごはんは、「水から煮るお肉」の良さがものすごく味わえるので、気に入っています。
あと、骨ってすごい出汁のかたまりなので、普通の鶏肉でもいいのですけれど、わたしは骨つきの手羽元を使っています。
鶏肉だけだと味付けがやさしくなりすぎる気がするので、少し香りがほしいなと、セロリを入れてからは、「セロリ&鶏肉」は自分の中で鉄板の組み合わせになってます。炊き込みごはんにしなくても、お醤油ごま油で炒めてもイケル組み合わせです。
おかげで強火&煮物コンプレックスからは解放されて、もう10年。数えきれないほどの肉を水から煮てきました。
お姉ちゃん、ありがとう。
●ごちそうさまでした。