米国のドナルド・トランプ大統領が所有するニューヨークのトランプ・タワーの人気が芳しくないそうだ。稼働率は過去7年間で99%から83%に急落し、空室率はマンハッタンの平均の2倍だという。
世界で最も賃料の高いオフィス街のひとつに格付けされるマンハッタン5番街にそびえる、高さ202メートル・58階建ての超高層ビル。プラザホテル、ニューヨーク近代美術館、カーネギーホールといった観光名所にも近く、ほんの2ブロック歩けばセントラル・パークという絶好の立地にありながら、一体なぜ?
ひとつ考えられるのは、トランプ氏の大統領就任以後、彼と家族の住居でもあるタワーの警備がとても厳しくなったこと。昨年10月に、両親が所有していた57階部分のマンションを183万ドルで売却(物価膨張分を差し引くと買値より1万ドル安くなった)したマイケル・スクラー氏によると、トランプ大統領就任後、癌で闘病生活を続けていた母親がタクシーで部屋に帰ろうとすると、タワーの玄関から数百フィートも離れたところで降ろされ、長く痛ましい散歩を強いられることになったという。
警備強化のとばっちりはトランプ・タワーのすぐ隣にある高級宝飾店ティファニーにも及んだ。同店とタワーを含むブロックの周囲にバリケードが設置され、ティファニーを訪れる人にも手荷物検査が行われるなどしたために客足が遠のき、2017年の大事なクリスマス商戦の売上は前年より14%も減少した。トランプ・タワー内部の店舗も影響を受けなかったはずがない。
初めてトランプタワーに行きました。入り口ではボディーチェックは無いけどカバンのX線チェックはやるという謎の警備。セキュリティ甘いけど何か起こったら犯人は即死だろうなって雰囲気はある。トランプ氏怖ぇ〜 pic.twitter.com/tc3gJRGvaP
— Kei🙈🙉🙊@ニューヨークなう (@smallnycer) 2019年5月4日
https://twitter.com/smallnycer/status/1124623449123708928
『Twitter』でも厳重な警備体制の目撃報告が。ちょっとスタバにコーヒーを買いに入る度にX線検査されたのではかなわないね。
そんな不人気トランプ・タワーでは現在、オフィスと住居の空き室にお安く入居できる模様。事務所の5フロア分は、周辺の賃料が1平方フィート当たり年間ゆうに100ドルを超えるところ、72~85ドルと格安。さらなる価格交渉も可能とのこと。
動画:Trump Tower New York | Exclusive Building Tour(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=A6JLcXCf0Wk
タワー周辺で反トランプデモがあったり死人の出る火災などもあったものの、ビルのつくり自体はやっぱり超豪華。玄関アトリウムにはイタリア産ピンク大理石製の滝が流れる。テラスからはセントラル・パークが望める。ビヨンセにも会えるかも?
不動産サイトに掲載されたトランプ・タワー54階の売却物件。現在100平米が約1億8600万円。価格履歴を見ると2017年春と比べ半額に!? えっ、本当に同じ部屋なの!? 説明文から「トランプ・タワー」の名称が省かれたのは敢えてのことなのだろうか。
画像とソース引用:『bloomberg.com』『streeteasy.com』『unsplash.com』より
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-05-14/trump-tower-is-now-one-of-nyc-s-least-desirable-luxury-buildings[リンク]
https://streeteasy.com/[リンク]