岐阜県恵那市の銀の森コーポレーションが運営する総合公園施設「銀の森」から発売されている紅熟柿(べにづくし)を食べてみたのでレビューする。
「おいしいもので人のしあわせをつくる」という理念の下で、単純に味覚に合う美味しいものというだけではなく、地域や環境、品質や食の安全・安心、そして価格のバランスまでも考えてさまざまな美味しいものを販売している。
今回取り上げたのは、干し柿と入して有名な長野県の市田柿を使用したシャーベットだ。
この品種の歴史は古く、江戸時代にさかのぼる。人工交配で品種改良したものではなく、人為選択で残した結果であるという。柿としては基本的には強烈なタンニンで干し柿にして食べる渋柿の代表格だ。熟せば甘く生で食べることができるのだが、熟してしまうと日持ちしないために一般に流通することはほとんどない。それゆえに干し柿として有名な柿である。またポリフェノールの含有が特に高い。
そんな市田柿を使用して甘い熟柿を丸ごとシャーベットにしてしまったのが本品である。
凍ったままでは、普通のシャーベットのようではあるが、丁寧に1個ずつ皮をむいて凍らせたいわば「冷凍熟柿」と呼べなくもない。
これを室温で20分程度放置すると、下の柿ペーストがとけて柔らかくなってくる。柿も食べごろだ。
スプーンで簡単にすくえるほど柔らかい果肉はまさに熟柿。熟柿は料理に砂糖の代わりに自然な甘みを出すのに使用するほどなので、その甘味は想像に難くないだろう。なお本品では一切の加糖をしていないので、この甘味は柿のみということになる。
価格も1個324円と手ごろなので、秋の季語「熟柿」の自然の恵みを存分に味わってみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影