これを買わなきゃ地獄行き!霊感商法業者が語る手口と実態とは?!≪アプローチ編≫

どもどもどもども、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行でっす!

霊感商法―― それは、悩みや苦しみを持つ者をターゲットに、霊感があるように振舞った悪徳業者・宗教法人関係者が先祖の因縁や霊障などを騙って不安を煽り、法外な値段の物品を売りつけたり、献金を受けたりする悪徳商法を指す。

今から28年前、昭和63年の霊感商法相談件数は2,647件、被害金額は164億円。それに対し30年後の平成28年の時点で相談件数は1,100件超と半分以下に減少したものの、被害金額が300億円を超えているのだ。

今、霊感商法の世界で何が起こっているのか……果たしてその手口とは。
今回、現役で霊感商法を生業にしている川内氏に話を聞いた。現在、月収で500万弱を稼ぎ出す彼は何を語るのか。

スピリチュアルブームで献金が激増

告白者/川内巧(仮名)霊感商法業者

「私がこの仕事をはじめたのは7年前。取扱う商品は、印鑑や数珠(年珠)、壷、仏像(弥勒菩薩像など)、多宝塔、高麗人参濃縮液、仏壇・仏具、洗脳ビデオ・受講料などですね。変わったところでは呉服や宝石類、毛皮などを販売する業者もいます。以前は、二束三文の物品を介在させ、霊感をこじつけて売りつけていました。簡単に言うと“万物復帰”という金集めですね。で、神棚は売れないんですよ。特定商取引法の指定商品なんで、クーリングオフが簡単にできてしまうんです。ちなみに昔バイク事故を起こし、生死を彷徨った北野武さんの元に、私の組織の先輩が勧誘に出向いたそうです。日本の大多数の霊感商法業者がこぞって勧誘に詰めかけたようですね。“物が残る”と被害者意識は軽減されますから。しかし、今では物質的なものよりも、精神的なものに信者は偏りをみせています」

その要因はズバリ、以前あったスピリチュアルブーム。女性誌から火がつき、連載などがはじまろうものなら、販売部数+5万部は堅かったという。
慈善事業を行っているようにみせての献金・浄財がバブル崩壊以降、爆発的に増えた。明日もしれない不況下で頼るものがなくなった信者を取り込むことができたようだ。

「以前から供養料や祈祷料、除霊料など無形のもので金を搾り取る“霊視商法”へシフトしたともいえます。他にも、激増した霊感商法業者が3年以上の布教実績をつくって宗教法人化する動きがあったことも献金・浄財の被害が増える要因にもなったようです。彼らは、教祖や祈祷師を作りあげて、金を巻き上げますから。〇〇教会がスピリチュアルブームに便乗して手を広げているのも実情ですね。元々、大理石の壷などの芸術品販売をしていた企業が、売れ行きの悪さをカバーしようと、霊的な効力があるなどと謳って原型ができたようです。以前の手口は、道を歩いているターゲットをキャッチセールスしたり、自宅にいきなり営業をかけたりしていました。主婦層に“アナタは家庭の問題で悩んでおられますね? 特にお子さんのことで……”と一声かければ、相談者は100人に10数人はみつかります」

信頼関係を作っておいて1本18万の印鑑を販売

しかし、川内氏が語った手口では効率が悪い。一時期、霊感商法で広く使われた手口が、テニスサークルやカルチャーセンターでのターゲット捕獲だった。
スタッフが手当たり次第にカルチャーセンターに通い、ある程度仲良くなったターゲットに更衣室や食事会で声をかける。

「そこで、同じサークル内にいる霊視のできるとしたスタッフを紹介して、「背中に霊がついている」と不安を煽るんです。周囲のサークルメンバーも焚きつけて、“霊場”と呼ばれる会場へ連れて行きます。そこに、スタッフが成りすました【先生】が登場。【先生】の肩書きは、宗教団体の本部長や風水鑑定士、手相鑑定士、姓名判断士など様々です。その前に“ティーアップ”といって「大変、徳の高い方」「なかなか会うことができないのにアナタは恵まれています」などと【先生】の価値づけをしておきます」

以前であれば、スピリチュアルブームと性の氾濫のおかげで水子供養を全面的に押せたという。堕胎率は高まり、後ろめたい気持ちがある人が多かったのだ。事前に親しくなっておいたスタッフが事実関係、事前情報は押さえていて、統括責任者(通称・タワー長)と霊能者に筒抜け。言い当てられたターゲットは目を輝かせ、【先生】に絶大の信頼を置くという。

そこで、「名前の字画が悪いので、愛されているご子息が早死にします」「先祖が霊界で苦悶しております」「このままでは、不幸が起きる」といって印鑑などを買わせる。1本28万円ほどで、10本セットで買わせ、川内氏へのバック率は40%ほどだという。

さらに手っ取り早く不幸な相手を見つけるために、病気の家族を持つターゲットを探すこと。そこで、川内氏は某国立病院の看護師や介護士を飼って個人情報を得ているというのだ。

「大病をしている家族を持っている人間は藁をも掴む思いです。そこにつけ込むわけですね。それと、葬儀屋の名簿なども利用価値があります。若くして亡くなった子などを持つ親は、意識していなくても現実逃避した頭になっているんです。“なぜ、お子さんはあのような病を患ってしまったのでしょう。次は誰かが……”と、そんな勧誘トークで迫りますね。このような名簿は、高額な民間治療薬や民間療法の悪徳業者にも出回ります。生命保険会社が支払った保険金をどれだけ掠め取るかは、出回った名簿をどれだけ早く手に入れるかにかかっているわけですね」

病人の介護に「私だけはしっかりしなくちゃ!」と気丈に振舞っていた被害者でも、畳みかけるように恐怖心を煽る霊感商法の前に、精神を参らせ、廃人のようになってしまうケースもあるという。

いやはや、げに恐ろしい霊感商法の世界。
次回は、≪霊感商法詐欺は連鎖していく≫について綴っていきたいと思います。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』などのポータルサイト編集長、文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンデージャポン』、テレビ朝日『EXD44』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、ABC『雨上がりのAさんの話』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』などのテレビ・ラジオなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中!

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