食材宅配サービスの老舗『ヨシケイ』を利用してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

忙しい毎日の食事は一人暮らしであろうが家庭があろうが悩みの種の一つだろう。
忙しいの内容や理由は昔と今とでは随分と異なっているものの、お困り事項には違いない。
食材宅配サービスというものは何十年も前から日本には存在するが、前述のように忙しい内容や理由が変わった現在はどんなサービスになっているのだろう。そんな素朴な疑問から食材宅配サービスの老舗であるヨシケイのサービスを3日間だけ利用してみたのでレポートする。
料理が苦手な若い女性や、一人暮らしの環境で利用することができるのかどうか、そんな視点から眺めてみたい。

1日目

同社のサービスはメニューブックを見て注文することから始まる。単純に人数分の食材が届くものから、冷凍完成品まで多様なニーズにこたえるたえに1日のメニューだけでも複数ある。それらを自由に選択して届けてもらうわけだ。

1日目は「豚しゃぶのごま酢・ポテトオムレツ・簡単うの花」だ。食材とともに産地が明記された一覧表も届くので、全国の旬のものが味わえるのも特徴といえるだろう。

このメニューをレシピ通りに作ると写真のようになった。材料のカットや下ごしらえは必要で、鍋一つというわけにはいかない。料理が苦手な若い女性には若干敷居が高い、家庭向けのメニューといえようか。

2日目

2日目は「豚角煮・キャベツと昆布のお浸し・彩り野菜と根菜の白和え」。
ご覧の通り、生の食材は唯一卵だけ。豚の角煮のみを湯せんするのだが、その鍋の中で卵をゆでてゆで卵に仕上げるので鍋は一つでOK。残りの食材は流水解凍すればよいだけなので、難しいことは何もない。

必要なのは盛り付けのセンスだけだろうか。このシリーズのメニューであれば、料理をしたことがあろうがあるまいが、あるいは時間がなくても確実に夕食を用意することができる。

ゆで卵をこしらえて、半分に切りさらに盛り付ければおしまい。基本調味料すら不要な時短メニューだ。
いずれのメニューも「ごはん」は含まれていないので、炊飯の手間はかかるが、それもパックご飯にしてしまえば簡単だ。
そこまで簡単であればコンビニ弁当でもよさそうな気がするが、こういう簡単メニューでも盛り付ければ自分が作った料理となるので、継続的に料理をする、あるいはもう少し難易度の高い料理に挑戦するといったモチベーションを高めるためにも有用であるというオピニオンを持っている。

3日目

3日目は「氷温造りさばのみぞれ煮・根菜きんぴら汁・お揚げとなすの和サラダだ」。
1日目よりも簡単で2日目よりも手間のかかる、ちょっとステップアップしたい人向けか。

福岡県産が並ぶのは不思議に思う方もいるかもしれないが、福岡県は何も福岡市や北九州市の都市部だけではない。
野菜も海産物も、かつては石炭もとれた資源豊富な県の一つだ。産地を見ることにより、地方の意外な特徴も見えてくるだろう。

汁物を作る鍋とみそやだしは必要だが、かなり短時間で作ることができる。

もちろん、これ以外に冷凍弁当や病気等のための制限食メニューもあり、多様なニーズにこたえることができるようになっている。
昔に比べて核家族化や個人主義が社会の常識になりつつある今、家族そろっての団欒(だんらん)というもの自体が少なくなっているような気がする。家事は女性がするもの、母親の味を娘が受け継いで嫁いだ先でまたその家庭の味を作り上げていくものという考え方はもはや古いのかもしれない。しかしながら、日本は昔からそうやって食文化を受け継いできたのもまた事実だ。せめていいところだけでも受け継いでいければいいと記者は個人的には思うし、味付けや調味料は家にあるものを使ってすることにより、最小限の手間で家庭の味を作り上げることは可能だろう。
朝早く、帰りも遅く忙しい毎日を過ごしていく中で、こういったサービスをフックに家庭の団欒というものを見直してみてはいかがだろうか。もちろん一人暮らしであっても管理栄養士が考え抜いたメニューなので健康管理にも一役買ってくれることだろう。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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