ビジネスクラスへの抜け道

  by あおぞら  Tags :  

 

海外に出かけるのは長時間の飛行時間に耐えなくてはならず、ニューヨーク⇔成田間などは14時間程かかりますから、なかなかキツイ。エコミークラスは狭い座席で身動きもできず、それに目的地に到着しても時差ぼけがあるので滞在日数が少ないと時差ぼけとの戦いで日々朦朧とする方々も多いと思います。

 

では快適なビジネスクラスは?と思われても、エリート社員ならともかく一般人はそんな大枚をはたけないのが現状です。しかし、エコノミークラスの搭乗客でも回数をこなしてゴールドカードを持つと、運がよければチャンスは巡ってきます。アップグレードでエコノミークラスから、ビジネスクラスへ鞍替えをしてもらえることもあるのです。これは自分のマイレージを使ったアップグレードでなく、航空会社の方からチェックインカウンターで提示されることがあるのです。

 

予約しているはずのエコノミークラスの席が満席だった時に起こるタナボタ(棚からぼた餅)現象ですが、これはちょっとした工夫があるような気がします。成田のチェックインカウンターで古株の責任者の方が権限があるような気がするのです。私がビジネスクラスにアップグレードされた時は、混み合っていることもあり随分列に待たされましたが、涼しげに待っておりました。せわしなく周りをキョロキョロするでなく、姿勢正しく行儀よく立っていました。

 

ようやく私の番が来た時に、チェックインカウンターの女性は研修の方で、その後ろに指導員風の男性が立っておられました。私は「お待たせしました」と仰る研修生と後ろの教官風の男性に「こんにちは」と笑顔で挨拶を返しました。時間には余裕を持って出かけているのですが、私の順番で研修生が教官に指導されながらの発券は当然時間を余計に要しますが、私は嫌な顔ひとつ見せずに直接見るでなく、ちょっと視線を外して待っていました。

 

教官風の方が「お客様は本日エコノミー満席でございますので、申し訳ございませんがビジネスクラスにアップグレードさせていただきました」と仰るのです。心の中でガッツポーズでしたが、そのようには見せずにクールに一言「恐れ入ります」と申しました。

 

『慌てる乞食はもらいが少ない』とはよく言ったもので、その逆を実践するとラッキーにめぐり合えるものです。アメリカン航空のビジネスクラスは座席がフラットシートになり、ぐっすり眠れますし、機内食も陶器を使っていますし、ペットボトルもエコノミークラスとでは大きさも商品も異なります。乗客は旅慣れている感じでエコノミーでよくあるマナーの悪い乗客は少ないと思いました。快適でしたね、実に快適でした。

 

人は待たされたりすると不機嫌になりがちなのですが、そういう時でもイライラしないで節度ある態度でいることは大事であることを学びました。また、エコノミークラスの乗客でも油断せずにカジュアルだけど、キチンとした洋服を着ているとチケットカウンターの方に、ちょっと贔屓をしてもらえたのかもしれません。

 

ビジネスクラスの人たちが眠っている時に、読書灯をつけて読書していた私に日本人のキャビンアテンダントが「助六寿司をお持ちしましょうか?」に、「ありがとうございます、でも結構です」とお断りするお互いの優しい空気間、これ申し訳ないのですがエコノミーのアメリカ人のキャビンアテンダントでは到底期待できないサービスでした。

 

ちょっとした身のこなしで14時間の航空時間を楽しめたラッキーな出来事でした。

 

画像: from flickr YAHOO!

http://www.flickr.com/photos/dunkindonuts/5873330679/

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