新しいディズニーの名曲を生披露!『リメンバー・ミー』来日記者会見

ディズニー/ピクサーが初めて音楽をテーマにした、今春最大の巨大感動作『リメンバー・ミー』(原題:COCO)。その来日記者会見が行われ、
主題歌でもある“リメンバー・ミー”を音楽の映画らしく、ヘクター役の藤木直人さんがギター演奏を、主人公ミゲル役の石橋陽彩くんが、生歌を披露! 本当に記者会見とはいえタダで聴いちゃって申し訳なくさえ思ってしまう豪華な『リメンバー・ミー』来日記者会見の模様をレポートです!

この『リメンバー・ミー』は、カラフルな死者の国を舞台に、何世代にもわたる家族のつながりをテーマにした感動巨編で、“ピクサー史上最高傑作”との呼び声も飛び出しているほど今春大注目の一作だ。すでにゴールデン・グローブ賞を獲り、本年度アカデミー賞では長編アニメーション賞、主題歌賞にダブルノミネートされ、受賞最有力との見方も強まっている。

同会見ではまず、運よく質疑応答に当たったので、リー・アンクリッチ監督に質問を。アンクリッチ監督というと『トイ・ストーリー3』なわけで、まずは両作品に共通している別れや継承というテーマについて聞くと、「それは……自分では考えたことがなかったです(笑)」とのこと。

「『トイ・ストーリー3』は、究極的には別れがテーマとなっていて、人生の中で次のステージに移っていく別れを描いているよね。大好きなおもちゃたちとも別れを告げる、そういうことから解放されて、サヨナラを言うことがテーマでした」と語るアンクリッチ監督。しかし、「もしかすると『リメンバー・ミー』のテーマは、その正反対かもしれない」と説明。

「決してサヨナラを言わないということ。いつまでも愛するものを心の中にとどめ、忘れない。忘れないためにその人の物語を家族に伝えていく、それがテーマです。だから、そういう意味では違うかな(笑)」と、どちらかというと継承のテーマが濃いことを教えてくれたアンクリッチ監督。

すると横にいたエイドリアン・モリーナ共同監督が、「『トイ・ストーリー3』に、こういうセリフがあったよね」と名作のセリフを引用。「アンディが大学に行く際、母親が『あなたと一緒に行けたらいいのに』と言うと『ずっと一緒だよ』とアンディが言う。つまり、その気持ちは『リメンバー・ミー』にも通じる気持ちなのかなと思います」と熱弁。別れや継承というテーマが、単純には描かれていないとことを改めて知ることに。

そして同会見終盤、日本本版声優で、主人公ミゲル役の石橋陽彩くんと、藤木直人さん(ヘクター役)、松雪泰子さん(イメルダ役)も登壇。約1年前の『美女と野獣』の来日記者会見では、プレミアム吹替版キャストの昆夏美と山崎育三郎が生歌を披露して、アラン・メンケンがピアノを生披露するなど、近年の来日記者会見では、豪華すぎる音ネタでお送りする傾向のウォルト・ディズニー・ジャパン。

その傾向を踏襲するかのように今回は、主人公ミゲル役の石橋陽彩くんが歌い、藤木直人さんがギターを演奏! ディズニーの新たなる名曲「リメンバー・ミー」を 2人で初パフォーマンスするという、もはや有料でもいいレベルの展開に発展した!

ちなみに細かいことを言うと、石橋くんと藤木さんが初めてそろってステージに上がった瞬間は、2月11日(日)、舞浜で開催したディズニー最大のファンイベント「D23 Expo Japan 2018」の「ウォルト・ディズニー・スタジオ新作映画ラインナップ」のスロット内でのこと。ただ、そこでは石橋くんが歌ったのみで、藤木さんの生ギター演奏は今回がお初。まるで物語の中で絆を深めていくミゲルとヘクターのようなパフォーマンスは映画を観てから観ると感動も倍だ。「ガジェット通信」では今回のパフォーマンス動画も配信しているのでぜひチェックしてほしい。

https://youtu.be/YdI6ufwbj1g

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo