AR(Augmented Reality、拡張現実)やVR(Virtual Reality、仮想現実)、AI(Artificial Intelligence、人工知能)などに世界中のスタートアップや投資家が群がっている昨今ですが、今後Augmented Human(人間拡張、以下AH)の分野にもその流れは波及していくと見られています。日本でも今年に入り、ソニーと東京大学が共同で人間拡張学を始動させたりしています。
ソニーと東京大学 「ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)学」を始動
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201703/17-0313/index.html[リンク]
Augmented Human(YouTube)
https://youtu.be/O4ngPRSuyO0
AH分野に特化したイタリアのスタートアップ、Youbionic社は、片手で両手分の作業が可能となる『Youbionic Double Hand』を発売しています。価格は完成品が1799ユーロ(約24万円)、3Dプリント用のファイルが199ユーロ(約2万6500円)となっています。“片手で両手分の作業が可能”になると、「右手だけでビールを飲みながら唐揚げを食べる」、「キーボードのタイプスピードが爆速」、「目くそと鼻くそを同時にとる」、「片手でベンチプレス100キロ(ムリか)」、「格ゲーのコントローラーさばきが神レベルになる(マジ?)」といったことが実現するようになります。小難しい言葉で言うと、単純に作業量や労働力が2倍になるということですね。
同社の創業者でデザイナーのFederico Ciccarese氏に話を伺ったところ、同社は「人間と機械を接続することができるデバイスを開発」する企業で、「すでにある技術を活用して人類を進化させること」を目標に掲げています。「『Youbionic Double Hand』の開発には1年かかりました」とのこと。同氏によれば、「私達の脳は私達が考えている以上のことを処理できる可能性があると信じています」とのことで、同社は現在「人間と機械が融合する未来を見据えているので、その時のために知識を積み重ねている段階」だそうです。
筆者が前述した乏しい発想の『Youbionic Double Hand』の使い方ではなく、日常生活における『Youbionic Double Hand』のより具体的な使い方や活用法が思い浮かぶ人であれば、購入を検討してみても良いのでは? 同氏によれば、「日本への発送も計画中です」ということです。
『Youbionic Double Hand』 [リンク]
http://www.youbionic.com/store/double-hand
それにしても巷間言われているように、「近未来の人類は技術の進化によって体が退化していく」という説も一理あるなと思ってしまいますね。「楽したいから効率を考える」のは人類にとって諸刃の剣なのでしょうか。
※画像:
http://www.youbionic.com/store/double-hand
※ソース:
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201703/17-0313/index.html