札幌という地名は、札幌市内だけのものじゃないらしい。
それを感じたのは、10月9日まで東京・豊洲で開催されている札幌広域圏グルメフェス「SAPPORO AREA GOURMET FES」でのこと。
札幌広域圏とは、札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村の8市町村からなるエリア。今回の「SAPPORO AREA GOURMET FES」は、この8市町村の“うまいもん”がいっぺんに、リーズナブルに、体感できるイベントとして注目された。
このグルメフェスの特徴は、普段は地元でしか味わえない食材が試せるほか、20~30代女性が注目するようなインスタ映え系ビジュアル展開。これまで、百貨店などの名産品展や物産展で行われていた同様のイベントを、オシャレなカフェでスタイリッシュに体験できるというもの。
担当者は、同グルメフェスのポイントについて「鮮度の高いエゾシカ肉にインスタ映えする限定スイーツ」「札幌広域圏の魅力を自宅でも楽しめるご当地名産品販売」「北海道・札幌に来た気分を味わえる!? 観光名所を収めた絶景ムービー」などをあげていた。
5日間限定、「ふわふわラムキン」がお出迎え
会場に入ると、ウッディーなカフェ空間に、これまでの物産展とは雰囲気も内容も違う、オシャレさ。たった5日間だけの期間限定では、もったいないと感じるほど。
席につくと、各テーブルに、札幌羊ケ丘公園に浮かぶ羊雲をイメージした「ふわふわラムキン」というキャラクターが出迎えてくれる。このラムキン、北海道産の羊毛でできたふわふわもこもこ感が特徴。ついついいっしょに写真を撮ってしまいたくなる、かわいいオーラ全開。店頭で1120~2800円で販売もしている。
そんな「ふわふわラムキン」といっしょに試したご当地グルメのなかでも、「これは!」と思うメニューをインプレッション。
当別町ジビエ工房 エゾシカ肉のランプステーキ
鮮度の高さが自慢のエゾシカ肉を、シンプルなステーキに。身はしっとりとやわらかく、しかも歯ごたえがあり、とじこめられた肉汁が旨みとなって噛むほどにあふれ出る、至極のひと皿。上質なシカの赤身肉を、ホースラディッシュとマッシュポテトといっしょに。リーズナブルな価格もうれしい。
石狩市とれたてタコのマリネ ~千歳市のヒメマス魚醤仕立て~
ぷりぷり食感のタコのマリネ。ヒメマス魚醤のまろやかなコクと、ゆずの香りがタコの旨みを一層引き立てる。添えられたミニトマトも、メインのタコをしのぐおいしさ。「なぜこんなに味が濃い?」と思うほど、普段食べているトマトの味との違いに驚く。
北広島市・石狩市・恵庭市のプレミアムBBQプレート ウインナー2種&フランクフルト
「希望豚」「放牧豚」などブランドポーク3種を楽しめるBBQプレート。味の違いを楽しんで。
さっぽろりんごミルフィーユ~ソースを添えて~
今回の物産展では、ことし3月に行われた「さっぽろスイーツ2017コンペティション」で、見事グランプリに輝いた「さっぽろりんごミルフィーユ ~ソースを添えて~」が東京上陸。地元では、“ことしのさっぽろスイーツ”として、来年3月までさまざまな店舗で味わえるけど、ここ東京で試せるチャンスはこの「SAPPORO AREA GOURMET FES」だけかも。
北海道産小麦粉のパイ生地、クリームと道産の煮りんごをサンドしたミルフィーユ、上からハスカップ・ブルベリーソースとともに食べると、ふんわり甘いクリームとソースの甘酸っぱさ、サックサク生地の食感と塩味で、いくらでもいけるおいしさ。
―――会場では、食のほか、札幌広域圏が持つ「絶景」も体感できる。フロア中央に設置されたスクリーンでは「モエレ沼公園」「オロロンライン」「支笏湖」といった絶景を、ムービーで上映。札幌広域圏の美しい景色を眺めながら、これら「うまいもん」を堪能できるという具合。
また、店内のマガジンラックには、各自治体のブランドブックを設置。持ち帰り自由なので、料理を待つ間にご当地の景色を想像したり、自宅に持ち帰ってゆっくりとページをめくるのもいい。ビジュアル系雑誌さながらの構成で、見ているだけで癒やされる。
この「SAPPORO AREA GOURMET FES」。東京・豊洲の「CAFÉ;HAUS」で、10月5~9日の5日間、開催中。札幌広域圏の味覚や絶景を、東京メトロ有楽町線やゆりかもめでアクセスしてみて。
(Photo)当別町 SPF 豚バラベーコンと札幌市ミニトマト 江別小麦のもちもちパスタ
(Photo)新篠津村産ジャガイモとかぼちゃのコロッケ~恵庭市のレタスミニサラダ~
最後に、札幌市東京事務所の諏佐寿彦所長は、札幌広域圏について「札幌だけでなく、まず北海道全体を盛り上げていこうと団結した8市町村からなる団体。札幌広域圏とすることで提供する食材も多彩になり、これらの知名度も上げていきたい」と伝え、今回の「SAPPORO AREA GOURMET FES」についてこうアピールした。
「今回はカフェスタイルで、スタイリッシュにその札幌広域圏の名産品が味わえる。これまで物産展に足を運ぶことが少ないといわれていた20~30代の女性によろこんでもらえるような内容になっている。北海道・札幌の本場の味を都内で味わうことのできる、数少ない絶好のチャンス。ぜひ来てみて」
【Photos by 伊牟田まどか】